ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

社中テンペスト3回目(1/12ソワレ)

 2019年1月13日は7ORDERが日本コロムビアさんからアルバム「ONE」をリリースしていわゆるメジャーデビューを果たした日。また、グループ初の生ライブである武道館公演の初日という目出度い日であります。

 沢山のリリースに、ライブツアー。みんな思い出と感謝でいっぱいの日々でしたが今年はどうなるのでしょうね~。

 ありがたいことに、レコード会社公式さんからもお祝いのお言葉が!できることならば今年も楽曲のリリースの程、どうぞよろしくお願いいたしますね~。7ORDERも長く歴史を積み重ねていく様子を見て行きたいなあと心から願っております!

 さて、昨日2024年1月12日金曜日に少年社中さんのテンペストの3回目を見てきました。初めての休演日を挟んでの公演は、ただでさえ剛速球の熱量が更に増していました。どの俳優さんも更にアクセルを踏み込んでいらっしゃいましたね。中でもギンを演じる井俣さんの後半の熱量ったら。全力で憎み、全力で怒り、全力で許しと未来を請う。成長を続ける本当の大人が全力を振り絞ってる様子に、「人間こうあらねば」という勇気をもらった様でした。その時に、8月の「月の鏡にうつる聲」のさひがしさん演じる老桃太郎がそのすべてを振り絞って弓を射るシーンの熱量と同じようなもの、自分が歩んできた「俳優という人生」をそのまま演技に表現する凄さ、を感じたように思います。幕引き近くの集団のダンスシーンでは、堂々のセンターで舞い踊るシーンもとても鮮やかで、一緒に舞台に立っている油の乗り切った、そのキャリアの色んな意味での絶頂の俳優さん達にも負けず劣らずの「華」を存分に感じたのでした。さひがしさんもそうだけれど、そういうベテランの「華」をもっともっと劇場でみたいと思うもうじき還暦の自分でありました。

 そういう「続けていくこと」がこの舞台の大きなテーマで、だからこそ色んな世知辛いリアルな、でもデフォルメ化されていて、それだからこそとても素直で、そこから現実の世界を切り開こうとするこの「社中テンペスト」の世界があるように思うのですよね。すごく「社会化」されている、「人間は社会の中で生きる生き物である」が徹底してるように思うのでした。「夢の続きが見たい」と舞台上ですべての俳優たちが声を揃えるけれど、その足元は「今のこの世界」をちゃんと見据えた場所にある、だからこそ今のこの世界で生きている自分に力をくれるのだなあと感じます。そういう意味で少年社中の劇団員の人達が演じる人たちのシーンがとても好きで。

 最近、凄く好きなのは、劇団の旗揚げメンバーで色々の紆余曲折があって現在は劇団の代表格であるユッコとドラゴンのシーンで、ギンの復讐に対して幕間にひとり辛そうに休んでいるユッコに、ドラゴンが「もう潮時だと思うんだよね」ととっても軽くというか優しくとうか、彼女の背負っている荷を下ろしてあげたい・・みたいなシーンがさりげないけれど、凄くよいのですよ~。すぐにユッコもやる気満々の若手のケイが「でも、頑張ろう」っていう話になっちゃうのですが、あの「辞めよー」って言うドラゴンが好きすぎて。だからこそ、ユッコが「いや、頑張る」って言えるんですよね。ユッコの心の中の思いを丸ごといい感じで肯定してあげられる、そういう同期的な人がいること、それも本当に大事なことなんだよなあって。こういう大人のウイークポイントを突いてくるところ、25周年続けてこられたこの集団である劇団だからこその「物語」なんだと思うのでした。

 劇団員の人達(とグループに所属している人達)が演じる構造と演劇や演技そのものの素晴らしさや楽しさを純粋に見せてくれる役割を持つグループを持たない人達が主に形作る構造の融合を見せてくれているのも、本当に胸にぐっとくるのでしたよ~。今回、鈴木拡樹さんが演じるランがその立ち居振る舞いとか存在感が、まだまだ経験の浅い自分には、フーテンの寅さんみたいだなあ(でもとんでもなく綺麗でとんでもなく芸達者)って思うのですが、そういう「まれびと」(てか人間でない)が我々の日常を揺るがすのも、本当に普遍的な構造を示してくれてて、だからこそのシェイクスピアなんだなあとかその「演劇賛歌」と思ったりしています。

 前にも書きましたが、ここしばらく経験してるシェイクスピアのお芝居や原案にしてるお芝居が本当に面白くって、なんていうか人間の変わらぬ姿を本当に甘くもなく辛くもなく、リアルだけれど、面白く、描いてるなあって感心しきりなのです。あと、トリンキュラーの太郎さんが好きすぎて、「あー、16世紀とか17世紀にはフォルスタッフを演じる俳優さんがトリンキュラー演じていたかも~」なんて夢想を始めましたw。いや、これからもっと色々とシェイクスピア見に行きたいな~!

 さて、推しの萩ちゃんですが。12日は本当によかったです~。あの舞台にいたら、そして井俣さんや拡樹さんとセリフにあるように「目と目を見つめ合い」お互いの表情をみながら、セリフを交わし合っていく日々が、お芝居の面でも進化を生んでいるように感じました。セリフの間であったり、腕を動かす時のふっとした浮遊感に体が思わず引き込まれるような感じあったり、本当に「あーー、お芝居見てる~!」っていう感じがありましたよ~。体もよく動いてて、ダンスのエモーショナルな感じが更に高まっていたような。あと、初日に感じた「儚い」感じが弱まってたなあと。だんだん人間「ゲキ」が現れてきているような。

 そして、特筆するべきはやっぱり声の演技だなあと。幽霊であったりその妖力を使う時のマイクを通すときの声と、回想場面での声の使い分けが更にくっきりして、前者の艶やかな夢のようなカッコよさと後者のどこか生成りの生地のように何かぐっと抑え込んでいるような声の対比がよかったなあと。その鮮やかさの立ち上がりは、音声効果だけじゃなくって萩ちゃんの地力なんだよなあって感じています。思えば、萩ちゃんが毛利さんの舞台に初めて上がった舞台仮面ライダー斬月でも印象的な声の使い方があったなあってしみじみしています。ダークアリスでの経験から、テクノロイドのライトくんであったりの経験を重ねながら、しっかりと足を着けて声の演技ができる縁者になってきたなあって感じています。そして、ひとつ萩ちゃんも肩の荷が下りたのかな~。ようやく共演者さんのXに登場してくださったと~。ありがとうございます!

 は~、萩ちゃんのお芝居どんどん見たいなあ。萩ちゃんが演技の道をこれからも歩いて行けますようにと毎日祈っております!