ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

社中テンペスト7回目(1/25ソワレ)

 ありがたいことに1月25日と26日の大阪公演にお邪魔することができました~!憧れの梅田芸術劇場・ドラマシティ。萩ちゃんは2019年のディスグーニーのPSY・Sで立った舞台ですが、あの時の大きな経験がここまで萩ちゃんを舞台の道に進ませているんだろうなって思うことがしばしばあります(もちろん復帰第1作の舞台仮面ライダー斬月も!)。そんな来ていないのに色んな思いがあるドラマシティに私もようやく入ることができました!

 サンシャイン劇場より横長で広い感じであったり、ちょっと意匠がヌーボー風であったり関西味があるように感じました。何がいいって照明が綺麗だし、ピンスポットもしっかり集中するので、ゲキのダンスも更にかっこよく見えたのは嬉しかったです。

 客席降りの演出は結構変わってて、中でもシュンの客席降りが、舞台の最下手ではなく、フロアの中段の通路を通って、下手の客席降りラインに登場。近くを通られた勝吾さんの後ろ姿があまりにお綺麗でカッコよすぎて死。そして、舞台側からゲキ(正面)、ギン(背面)、シュン(背面)が直列に並んで、シュンの熱いセリフをゲキが受け止める表情が本当によかったんですよね~。更には、見届けたゲキが去っていくシーンで、劇場全体を見まわして「うん、うん」と満足そうに力強く頷きながら去ってくのよかったです。東京の時には、もっとしゅーっと消えるかのように去っていったので、この力強い表情は、「ああ、成仏してしまうのかなあ」と思いつつも、「(ゲキが満足

できて)よかった~!」って心から思いましたよ。この日は遠目だったけど下手の客席降りラインだったので、このゲキが去って行くときの素晴らしく充実した表情もしっかり見ることできてありがたかったです。

 さて、この25日の公演を取ったのは、日替わりゲストが谷口賢志さんだったから。ディスグーニーもよく見ているので、おなじみの賢志さんがどのような演技をされるのかとっても楽しみでした。したらば、これが本当によかった~!最初からセリフがめちゃ多いしボルテージも高くて。豪放磊落とはこのこと!。最初の壇上の登場シーンでは「死ぬ時の芝居であれこれそれらしく長くやるのはカッコ悪い(意訳)」とのっけから芝居論を展開。結構、主張が強い!。その後のランの「合格だ」のシーンではランにオリジナル舞台もやって欲しいとまた強要ww。これには客席から大きな拍手も。こんなフィジカルに演技力がとめどもなく高い俳優さんはなかなかいらっしゃらないから、ぜひ色んな、個人的にはこのテンペストのように、大人になってしまった人の人生に刺さるようなお芝居もたくさんやっていただけたらなあって思うし、それはこの舞台にいらっしゃるすべての俳優さんに届けたいなあって思うのでした。

 サコンの遺言シーンもまたよくって。「自分は三流な人間だけれど、自分の周りにはギンやゲキのような天才がいたから、自分もつい夢を見てしまった。脚本家としては三流だったけれど、お前たち天才よりも幸せだと思うのは、お前たちや劇団員の笑顔やお客さんの笑顔も沢山みることができたこと。そこは誰よりも幸せだったと(意約)」。わかるー、そういう「天才と一緒に何かを作り上げる喜びやその苦悩」めちゃわかるんですよ・・・。そういう思いを板の上に座り込んで、野性味いっぱいに親しげに語りかけるセリフ回しを聞くと何か別の脚本の人の声が聞こえてくるようでしたよ~。だって、〆の合言葉は「ヨー・ホー!」って海賊の合言葉なんだもん!おそらく、サコンのセリフの多くは毛利さんが書いてらっしゃるんだと思うんんですが(違っていたらゴメン!)。海賊劇団の一員である賢志さんに、西田さんとも親交のある毛利さんが送った言葉だと思うと、「劇団の歴史の外側にあって、志を同じくして進んでいく別の集団の仲間」みたいな面からの「劇団の歴史」を感じたのでした。今回の社中さんのテンペストは本当にこういう「円が何十重にもなって広がっていく」構造(いわゆるコンボイってやつか・・)を素晴らしく素敵に描いているなあって感じます。

 そして、賢志さんともご縁の深い萩ちゃんもツーショとってもらえたようで、早速のご報告。嬉しかったな~。賢志さんからもお返事あって嬉しかったなー。ぜひぜひ今後はがっつりと一緒にお芝居していただきたい!それにしても、まさしさん、ベレー帽の被り方がカッコよすぎて被り慣れてる感じがあって本当にやられた・・。足長かった・・。半分以上足だった・・。

 そんな大阪初日でしたが、東京の後半戦(20日とか21日)とかをそのまま引き継いでの熱量の高い公演でした。そしてアドリブとかギャグも多かったですしね!。そして、カグラの苦悩とそれにまっすぐにぶつかっていくシュン(として熱く見つめるマサ)の関係性が濃厚に描かれるように、矢崎さんと勝吾さんのお芝居の繊細さと深さとエネルギーが更にこのお芝居に更に立体感を与えているように感じました。初日の頃は、三角形の2次元だったのが、東京後半からはピラミッドの3次元になったような。精密な設計図が堅牢で高層のビルディングになっていくような、すっごい比喩ですけど、そんな風に感じました。

 前に毛利さんの脚本の構成力(そして見える風景の普遍性)は凄いけれど、役者の全人的な魅力の解放っていう点からは西田さんかも・・と書きましたが(社会学と哲学みたいな違いというか)、どっこいどうしてそんな薄っぺらな比較にはならない。そこには「俳優の力」というファクターがあるから・・とつくづく思うのでした。そして、推しの萩ちゃんもこの大阪公演に来て、更に、その俳優力が一回りも二回りも大きくなってきたように感じました。天才役者役らしくお芝居がどんどん貫禄がでてきて、劇団の中心っていう説得力が増してきてましたよ。堂々と、自分の魅力を押し出し、そして相手の魅力を受け止める力を見せてくれているみたいな・・。そして色んな声の使われ方をしてるんだけれど、いい声を堪能させてもらってるなあと。地を響かすような太い声も出るようになってきたし、一方でマイクに綺麗に綺麗に乗る声優声のメリハリがすっごくあって。毛利さんの萩ちゃんの声の使い方好きだなあって改めて思うのでした。舞台をみたお客さんからの嬉しい反応も増えてきたし、本当に、ファンにとっての幸せな時間をありががとね~!