ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

劇団おぼんろ「月の鏡にうつる聲」8回目千穐楽。

 ようやく8月13日お昼の千穐楽にたどり着くというw。初めてのおぼんろさんで、萩ちゃんもこのお話の軸であり、お話と現実を結ぶ重要な役割を担っていたこともあって、多くの刺激を受けすぎてなかなか処理ができなかったんですよねえ。その上、前回のこのカテゴリーで綴ったように、末原さんや劇団員のみなさんがこの「月の鏡にうつる聲」についての中身の濃い振り返りをしていらっしゃる。ここまで考えて、そして、ここまでまとめて、(おそらく)次へつなげていく。色んな面から、「レベル高っ!」な経験を久々にまともにくらった気がします。そして、なんと今週末、その方々が、まとめの配信をするということですよ~。

 みなさん、本当にスーパーマン。体力的&エネルギー的な面もそうだけれど、知的に、そして訓練され積み上げられてきた知がスーパーなんだなあと。一観客としては、そんな風に気持ちと様々な経験と智慧が込められた舞台であったりその後の振り返りをただただ堪能していればよかったんだろうけれど、それだけでは気持ちがおさまらない胸のザワツキがずっとあったなあと。本当に素晴らしい劇団であり、方々でしたね。

 そんな中での我らが萩ちゃんの14公演。キャリア的にも、そして本格的な演劇公演は1年ぶりという間が空いてる中でのこの経験。同じ若手と言われていても松村さんも石渡さんも俳優としての伸び盛りの力を見せていき、日に日にお芝居の深さや増しているように見えてのこの期間。萩ちゃんの前半戦にみられた声の疲れや実戦での演技や魂のぶつかり合いでの方略の揺れみたいなものを乗り越えて(配信の時のマイクに乗った声素敵だったなあ。課題でもあるけれどあの青さが本当に魅力的)、そして、最後の大太鼓をリズムを緩めず、まっすぐに叩き切り、まっすぐに世界に向かって声を上げ、この隠された歴史や物語を世界に広げていく役目をやりきっていくことを、完遂できていたように感じました。

 千穐楽も最後の大太鼓で、途中でバチにトラブルがあったのか、最後のセリフの一つ前の大きく両腕を開くシーンで、バチを手から放していたんですよね。でも、「咲き誇っていますように」の時にはしっかりバチを持っていて、最後の一撃に向かう前にはバチを手にして大きく頭上に掲げていたんですよ。当たり前のように、いつもの最後の渾身の聲は変わらずというか、万感の思いを込めた最後の一打を放っておりました。14公演の後半になるにつれて、アナタと、アナタが経験してしまう桃太郎の過去と、そして現在を生きるドラムも太鼓も叩くミュージシャンであり俳優であり、エンターティナーである萩谷慧悟が混然として一体化していくような感じを受けたのですが、その行きついた、現時点での場所が「ここ」であったように感じましたね。

 前から感じてるように、このお話の大事な点は、過去の、そして今も隠されている様々な思いや愛情や悲劇を、「今を生きるワタシのもの」として如何に伝えていけるか・・なのだと思うのですが、その役割を立派に果たしていたように感じました。そして、やっぱり萩ちゃんの「フレッシュに舞台にぶつかる力」ハンパないって・・。もちろん、周りの皆さんのおかけではあるんですが、どんどんとその力を引き出してもらえて、それに応えていたなあと。

 千穐楽だからか、いつも以上に、語り部のみなさんのセリフへの感情の込め具合であったり、愛の詰まり具合が凄かったなと。さひがしさんの男のカッコよさというかそこぢからがどんどん増していって本当に好きでした。あんな死に方はヤダという思いとあんな風に人生のすべてを一瞬に詰め込んでみたいって心から思いましたね。あと、アナタが温羅に出会い、青年桃太郎の思いを生きて、そしてアナタとしてもショックを受けるシーンの時空と人格の入り込み具合にいつでもやられるんですが、配信の日くらいから、温羅と桃太郎(を経験するアナタ)との年齢関係が逆転して、温羅が兄のようにふるまうのが更に頭を抱えてしまいました・・。温羅もまっすぐに「花の重要性」を伝えられる、そういう可能性を生きたかったんだろうなみたいな。

 倫平さん演じる雉衛門や塩崎さんの猿彦は完璧すぎたりするので、彼らの死に対する思いが思わずこぼれるが「外国の文献では・・」のシーンであったり、猿彦の最後の口上「同じ土に返ることができる嬉しさ(みたいな)」の奮えみたいなのが、とんでもなく刺さるな。ある意味、友への愛を語る言葉ではあるんだけれど、「ああ、そんな暗い思いを秘めていたのか」という見ている側のすまなさみたいな。一方で、井俣さんの犬丸にはその「秘めた暗い思い」がない人物をまっすぐに演じてらっしゃってその対比が凄いなあと。脚本の至るところにそういう陰影や凸凹の肌理が埋め込まれているんですよね・・。そこが「このお話は自分にとって〇〇です」が言いにくいお話なのかなあと。でも、その肌理の細かさが、そしてすべてに感じられる愛の息吹が素晴らしい作品でした。

 ともあれ、萩ちゃん、千穐楽の最後の激走、本当に心に響きました。萩ちゃんが渾身の力でおぼんろさんの演劇と共に過ごした日々は自分の忘れられない記憶となりました。本当に素敵な時間をありがとうございます。共演者の方々からも様々のつぶやきやおまとめが。石渡さん、松村さん、萩ちゃんと一緒にお芝居していただいてありがとうございました!

ameblo.jp

 井俣さん、萩ちゃんの動画いっぱい残してくれて、そしてゼクシィ萩ちゃんも残してくださってありがとうございます。そのうちにまたお芝居見に行きますね!

 萩ちゃんからも自然体の、いつもの誤字交じりのお礼がw。

 と思っていたら、遅くにインスタでもがっつりと。

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 夜遅くに萩ちゃんからおぼんろさんの「月の鏡にうつる聲」に参加させていただいた感想とお礼が!。心と体を存分に動かして、新しい世界を経験して発見してきた思いが溢れてて朝から嬉しくなりました。「励みます!」という〆のお言葉、本当に好きだなあ。