ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

ネットメディアとお金とファンのこと

 彼らが本格的にYoutubeチャンネルを始めて10カ月弱。情弱な自分が当初思っていたのとは違っていたのが「意外と収益があるんだなあ」ということ。実際問題どのくらいの収益になってるのかはわからないけれど、動画でたびたび高いお洋服とかアクセサリーとかそこそこお金のかかってそうなお誕生日会の様子を見ていると、動画の再生回数が公開1週間で平均10万回くらいであっても、7人がそういう贅沢をするくらいのことはできる収益があるのかなと思ったりしている。もちろん、それで生活やグループの活動が全部賄える訳でもないだろうけれど、思った以上に儲けている、そしてそれをまた動画のネタにつぎ込む好循環!になってるんだろうなあとぼんくらな妄想をしていたりする昨今だったりしている。このことは、独立してわかりやすくよかったところの一つなんだろうな。そして、これが平均何十万回とか百万回のレベルだったら、どれくらいの収益になるのかと考えたりして、プログラムを作るタレントの努力とファンの行為がこういう形で直接的に「お金」化される現在なのだなあって感じたりもする。

 その動画を見る、多くの場合には何度も見るという行為が、ファンとタレントを直接的に繋げて、好きなタレント、応援したいタレントを直接的に利するのであればそれはとても望ましいと思う。そして、YoutubeSNSでの発信が好評を博して、ファン以外にも広がって、それが結果として知名度や収益に繋がって行ったらこんなうれしいことはない。でも、そこから生まれる「益」を最初から計算に入れて、商売をしようとする動きにはちょっと眉をひそめてしまう。たとえば、こんなツイートを見たのだけれど(最初はツイートをのままコピペしようと思ったけれど、その人個人に文句が言いたいわけではないので引用だけにさせてもらいます)・・

  • とあるキャスティングで何人かの候補で迷った場合、ファン数とかSNSでの影響力とかが最終的な決め手となることが最近多い。芸能人の仕事にファンの熱量が不可避になってきている。

 「熱量」なんていう言葉に置き換えているけれど、結局はファンの数が動かす「益」の力を当て込んでいるように感じられてしまう。ファンがたくさんいて、ファンのネットでの行動やひいてはネットから得られる収益に直接つながってるから、キャスティングしますってストレートに明言してるように受け取られる発言は、いわゆる「推しを人質にとる」商法そのものではないかと思うのだ。そういうことをツイッターという公共の場で堂々と述べてしまう。楽しみや面白さを売るエンターテーメントビジネスがそういうことを言ってしまうのはやっぱり変だろうし、だから日本のエンタメはちっとも面白くない、諸外国に比べて負けて当然みたいな、よく言いわれる言説に繋がっているのだなとなんだか変に腑に落ちてしまったのだ・・。

 楽しさとか面白さの大部分は、そのアイデアやスキルや何より新しさによって成り立っている。そういう本当のエンタメを作り出せるからこそプロの皆さんだからこそ、ファンはその行為をリスペクトして、未来に向かって応援するためにお金を払っているのである。大好きな彼らが使ってもらえることは本当に大事なことだけれど、それは彼らを使って素敵なプログラムを作ってもらえる、もしくは制作陣の素敵なビジョンを見せてもらえると思っているからであって、ファンに期待することは数です、お金です、でなかったら使いませんと面と向かって言われたら、やっぱりしゅんと冷めてしまうのであったりする。自分が最近よく行くお芝居などなどはそのへんが凄く巧みで、人気と内容を高いレベルでマッチングしてくれてて、なおかつちゃんとエンタメに対する夢を持たせ続ける努力をしている方もたくさんいるというのに・・である。

 エンタメはビジネス、結果が伴わないことにはお話にならない。それは十分わかる。当たり前だと思う。ましてやこのコロナ禍で業界は大変だろう。でも、結果は原因があってこそ生まれるものであって、その順序やプロセスを間違えないでいただきたいなあと切に願う。本当に面白いもの、素晴らしいものを生み出してくれているから、それを積み重ねきた時間と信頼があるからファンはタレントについていく。そして、これからもそういうものを見せてもらいたいと思っている。プログラムやタレントが主役であって、ファンは脇役、影みたいなもの、ずっとそういう関係でいたいなあと思うのである。