ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

ジャマト・アウェイキングの萩ちゃんの演技(ネタバレあります)

 試写会の時にもう息が止まりそうなくらい「お芝居凄い!カッコよすぎる!!」と思ったんですけれど、2回目(3/8)、3回目(3/9)、4回目(3/11)と見返しても、全然その印象が薄れないって言うか、「ひーっ!」っていう声にならない声は大きくなるばかりなので、少しガス抜きをしておこうと思います。もちろんファン目線だし、あくまで当社比なので大げさになるかもしれませんが、そのあたりはどうかご容赦を。そして、たぶん、ネタバレになると思うので、ひとまず畳んでおきます~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.本格的悪役の魅力

  • 萩ちゃんもパンフレットで書いてますが、萩ちゃんの演技人生の中で初めての悪役らしい悪役。前回のブログに書いたように、蒼斗には拗れてしまう理由があったと思うのですが、そこから先の判断は萩ちゃんが「救いようのない悪」と言ってるように、本当に非道の一言の脚本で、演じる萩ちゃんにもその冷たい蒼い炎が首尾一貫めらめらと燃えているように体から発せられてるのが痺れましたねえ。
  • 光属性の時もそうなのですがこのブレない感じ、そしてブレないからこその滲み出てる「概念」な感じは萩ちゃんのお芝居の特徴のように思います。葉月役の松永さんもテストから常に全力だったと書いてらっしゃいますが、人間らしさを超えたところにある「揺るぎなさ」をまずはつよいフォルテッシモで作っていく感じが伝わってきましたね。中の萩ちゃんが感じている「断罪」がそれを支えているのかなって感じました。
  • そして、「悪役」の魅力と言えば「色気」!包帯でぐるぐる巻きの蒼斗の、一つだけ見えている目の色の変わり具合から発せられる色気。半眼で眼光鋭い時の目も、ぼんやりと葉月を見つめてる時の目も、そこから悪魔のような色艶をたたえた目の色に変わっていくところも、全部色気でした・・。そして中肉中背の俳優さんだからできる女子の頭の抱き寄せ方(ひさびさにサマヌの窪田くんを思い出しましたよ)。ほんとドキドキでした。そして、ぐるぐると包帯を取っていく姿。。本当に見たい、見たかったシーンがいっぱいでした。

2.精神を超えてしまう身体の表現

  • そういうある意味「まっすぐな悪」を演じた萩ちゃんですが、前回のブログにも書いたように、蒼斗が悪になっていくきっかけともなった「食べられない」「馴染めない」演技が素晴らしくってですね。「だから俺は辛いんだ」とは絶対言わないのに、食べ物を吐き出す仕草であったりペットボトルの水はグイグイ飲める仕草であったりこそが、蒼斗というジャマトの特性を、そして、人間と共存できない限界を示してくれていたように感じました。彼には「できない」ないんだからなあ・・とついつい空を見上げてしまいますね。
  • だからと言ってジャマトだけの世界を作るためという理由のために何をしてもいい訳ではないけれど、「もし、人間と共存するのが肉体的な面から色んな面から困難なジャマトがいたらどうするの?」という問いかけをナチュラルにしてくれているように感じるんですよね。このことがちゃんと意識化されて、本格的に人間と共生する時代の幕開けとなるゴッドくんと道長が取り組む課題になるといいんですが・・。
  • 葉月と蒼斗の生みの親である大智は、今になっては理想を掲げそれにアクティブにコミットメントする研究者として頑張ってるし、彼の働きに未来がかかってるところもあるのだけれど、一方で研究者らしい「仮説から外れたものは(ナチュラルに)無視」なところがあるように今回は見えて、その仮説から外れることへの予想と対処を想定してなかったのか、それともそれも織り込み済みなのか、その辺は気になりましたね。万が一闇化してしまったジャマトへの対応をあらかじめ考えておくことって研究倫理的に必要だと思うんだけれどな~。でも、その辺も含めて、「すべて(が)うまくいく」訳ではないって突き放すのも悠也先生テイストなのかもしれません。もちろん、道長のように長い物語の中で変わっていくのかもしれないですしね。
  • この物語のどこに注目かでこの辺りの印象はだいぶ変わってくると思うんですが、メインストリームのお話になる人間とジャマトの共生は必ずうまくいくという言葉(精神)でないとも限らない、という可能性をしっかりと萩ちゃんはその身体表現で演じてくれていたように思いました。

3.演じ分けを支える声の演技

  • 仮面をかぶったような警官役の、硬い表情(そして眼だけぐるぐると動く怖さ)と、包帯男の時の得も言われぬ艶っぽさ、そして、闇の心を全開にした悪の姿と、まるで別人のように演じ分けていらっしゃるなあと今回思うんですよね。それを支えている演技力もさることながら、「声」の演じ分けが今回凄いと思うんですよ。落ち着いた、はっきりとした滑舌(本当によく回って噛んだり舌足らずになることがなくなった。ようやくって言われるかもだけど!)をベースとして、ちょっと不自然に硬くて高い警官、包帯男の王道男前な声、そして怒りに突き進む絞り出すような声。そして、エフェクトかかってるけれど、キングジャマトの荒々しい声(萩ちゃん、本当にアレやってみたったでしょ)。
  • その声の演じ分けが、どこかホラー物に通じるようなこのVシネのしっかりとした背景になっていたかと思います。あー、突然思い出すおぼんろさんでの経験。このVシネの撮影がいつ頃だったのかは不明ですが、おぼんろさんの月の鏡にうつる聲と同じあたりとも思うので、あそこでの経験が生きていたらなあっても思ったりしています。そしてそうでなくてもテクノロイドのライトくんを2年ほど演じるに当たって(そして最近ではNACK7もだけれど)、伸びてきた声優としての技量(可能であればできるだけ新しいライトくんメモリーを聞いていただきたいところ・・めちゃ高額だけれどw!)がギーツのVシネに活かされてるかなって思うのでした。これからも声の面でも頑張って俳優萩谷慧悟のウリ!になっていけばいいなと感じています。
  • それを思うと、できれば萩ちゃんには声優のお仕事も続けていって欲しいなあ。その中で声の演技も磨いていって欲しいなあって思うのでした。もちろん、声優さんとして見たらまだまだだろうし、やらなきゃいけないことも沢山だろうけれど、だからと言って副業ですと逃げないで、どうかこれからもどんどん進んでいってくれたらな~って。そんな訳でカメンズのゲスト出演も楽しみにしていますよ~!

 そんなギーツVシネで感じた萩ちゃんの「今」の演技の感想でした。萩ちゃんの演技人生の大きな柱の一つになっていくように感じた次第です!