ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

社中テンペスト1回目(初日)の極めてプライベートな感想

 少年社中さんの結成25周年記念公演のファイナルである「テンペスト」に推しの萩ちゃんこと萩谷慧悟くんが出演ということで、2024年1月6日の初日公演に行ってまいりました!

 出演者全員が全力と言うか、最大熱量を常にぶつけ合いながら戦うかのように演じられていく劇団少年社中のテンペスト。技量もキャリアも経験も存分に積んだ俳優陣が死に物狂いでセリフと演技と板の上に叩きつけていくような舞台。脚本演出の毛利さん(そして少年社中)の演劇論であり、劇団論であり、集団(グループ)論であり、そして人間論というか人間を描いていく内容も相まって、見ているこちらの魂が煽られ、吸い取られていくような舞台でした。そして、主演の井俣さん、鈴木拡樹さんを始め、本当にお芝居の上手くて凄い方ばかり(劇団員の方々も、拡樹さん、矢崎さん、勝吾さん、本田さん、なだぎさん、山崎さんみんな凄かった)。その方々を存分に活かす毛利さんの脚本演出。本当に面白くて凄くて。全部見どころ・・そんな想いにかられました。

 しかし、それでも・・・。自分は萩ちゃんのファンであり、7ORDERのファンであるが故に、この舞台のテーマの一つである「自分のグループへの様々な思いと愛情と続けていくことへの執念と、そしてそこに生まれる人間模様」を萩ちゃんの演じた「ゲキ」という役が背負ってることに大きな感動とを覚えてしまったのでした。このお芝居とは直接関係がないかもしれないけれど、本当にプライベートな部分で心の奥底を掴まれるような、そんな演劇体験をしてしまったなあと。

 それを演じる萩ちゃんのお芝居が本当によくって。美勇人くんが脱退して、7ORDERの活動が(憶測ではあるけれど)前の様にはいかなくなってて、それでもグループを続けていくという歩みを見せてくれているのを知ってしまってるからその自分の前提条件のせいなのかもしれない。でも、表から見えないところでの、維持されるという前提の集団だからこそある様々な困難や人間関係の深さ、そしてその喜びを描くこの舞台のその核心の「こころ」を、萩ちゃんのゲキはしっかりと溢れるような実感にまみれるように、(萩ちゃんが経験してきたであろう)そこにあったポジティブな思いもネガティブな思いも様々な諦めも寂しさも・・色んな思いを満載して演じ切ってる様に見えたんですよね。本当にゲキのそして萩ちゃんの思いがしっかりと伝わってきました。

 そして、そんな心的経験をしてきている自分の心の中でのこの舞台の結末。演劇と言うものに、そして劇団(グループ)と言うものに(愛するが故に)苦しめられてきた人々が、集団が背負った一つの咎を許し、また集う結末。それを舞台の上段から見続けるゲキである萩谷慧悟、という構造に心底揺すぶられましたよ。この光景を自分も現実の世界の中で、やっぱり見たい、諦めることなく生き抜いて成長していって、また笑顔で集う・・あの大好きな7人にもその光景を味わってほしいし、そのために自分も頑張っていきたい・・という気持ちに一杯になったのでした。

 なんだかもうお芝居の感想じゃなくなってしまったけれど、やっぱりお芝居・演劇というものには、見てるものの心の中を変えて、現実と向き合う気持ちの在り方を変えるのだなあって痛感しました。思えば、舞台斬月の時にもそうだった。Love-tuneが姿を消して途方にくれている時に、萩ちゃんをその舞台に上げていただいて、その現実を乗り越えていく力を与えてくれたんですよね。そして、7ORDERの先行きがうっすらとしか見えない今回も同じように。より現実の複雑さの中で生きていく私たちに、そしてきっと萩ちゃんや演じ手の皆さんに力を与えてくれてるお芝居である、と思ったのでした。本当に本当にありがとうございました。頑張って沢山見たいぞ~!