ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

舞台「ETERNAL GHOST FISH」観劇5回目

 さて~、あっという間に月日は経ち、舞台「ETERNAL GHOST FISH」も2023年10月23日に大千穐楽を迎えてしまいました。は~。本当にあっという間だったな~。いつものうに舞台へのロス心も一杯なのですが、今回は舞台のことを「まだわかってなーい!」という嬉しいようなもどかしいようなそんな気持ちが主になってるような感じがします。なんていうか「食べたりない」感じ。もっともっと「噛みしめていたい」感じ。まだ全然「消化できてないんだからっ!」な感じ。それがいつも以上の「あっという間」を感じさせてるのかもしれませんね。

 とはいえ、この充実すぎる舞台に集まった手練れの俳優さんたちは、別れを惜しむ間もなく新たなお仕事に向かっていらっしゃるようです。萩ちゃんもまたそれに近いのかな・・22日大千穐楽後の翌日にこんなポストをしていましたね。

 萩ちゃんもまた12月にある7ORDERのツアーの準備や1月からの社中さんのテンペスト出演のこと、そして萩ちゃんねるなどの自分自身で続けている活動。手がけている色んなお仕事を責任を持ってやりとげていこうとする意志があふれているなあと感じるポストでしたね~。それにしても「最高のメンバー」の中に萩ちゃんがいることができて、ファンも本当に豊かな時間を過ごせたと思っています。ほんとに8月のおぼんろさんも、10月の舞台永魚も、素晴らしい舞台で本当に幸せですねえ・・。

 そんな10月21日(土)の夜公演が舞台「ETERNAL GHOST FISH」の自分的楽になりました。この日は近場だけれど泊りがけの出張中ですが、仕事終わって速攻で紀伊国屋ホールに駆け付けたのですが、1幕の始まりには間に合わず。お席がセンターのとてもよいところだったので、後から入るのも申し訳なく、スタッフの方にお願いしてロビーで待機させてもらうことになりました。それを快く承諾してくださっただけでもありがたいのに、モニターの前に椅子を置いて待たせていただけて・・おかげで1幕の様子が手に取るようにわかりました。いや、ほんと噂には聞いていたけれど、ドタバタ撮影シーンがとんでもない状況になってしまって、ロビーにもスタッフさんたちの押さえても抑えても出てしまう笑い声。上官役で飛び入りした萩さんの大暴れシーンになり萩ちゃん兵士を「黙れえええ!」といつも以上にに大きな声で叫んだ途端に、自分の隣でバサッと大きな音がしたと思ったら、貼ってあったポスターが剥がれたのでした。

 いやー、劇場を揺るがすとんでもないドタバタシーン。ちょっと違う形ですが、自分の心の中に一生の思い出として心に残りそうです・・・。というのはちょっと冗談ですけれど、本当に紀伊国屋ホールのスタッフさんは優しいし、親切だし、本当に本当に素晴らしいです。演劇を愛していらっしゃるのだなあいつも思うんですよね。そんな由緒ある劇場で推しの萩ちゃんが舞台を踏めたこと本当によかったです。

 そんな訳で、この日は2幕からの観劇となりました。お席は先ほど書いたように今回の5回の観劇の中で一番の前でのどセンター。最高でした!。何より、俳優さん達の表情が手に取る様にわかって更に感じた部分がたくさんありました。この舞台、ミステリーの舞台であるのに(かどうかだんだんわからなくなってきたw)、登場人物がそれぞれの場所で、かなり自分のこころの内を示すような表情をしているんですね。溥儀演じる勝吾さんは静かに奥の方で座っている時でも、婉容やオモイ、そして、関東軍の人たちへ、うすーくですがいつも何かしらの表情で応えているんですよね。あと執事さんも人間ができていそうですが、さりげない態度やまなざしの方向がびしびし来ていましたね。推しの萩ちゃんも、オモイの胸のうちがしっかりと現れている表情の数々が本当に素敵でしたよ。溥儀、婉容、オモイの三角関係において、オモイは溥儀も婉容も、そして清も好きだから本当に表情が幅が地味に凄いのよ。ぐっと溜めてるんだよなあ(でも、婉容の子どもの話に嬉しそうにする表情もまたいい・・)。でも、その時に溥儀もぐっと押しとどめてるから辛いんですよねえ・・。

 色々と気になる部分が解決できないし、それでもわからないことが沢山あるんだろうな~。昨日ようやく、にやりと悪い笑みを浮かべて溥儀を撃ったオモイとそのあと悪い笑みを浮かべる婉容のシーンが(舞台の中で)どこだったのかを記憶した。

 また後でも書くんだろうけれど、今回の萩ちゃん、本当に精緻にお芝居を積み上げていたなあと。色んなギミックを背負って、それをひたひたと遂行していたなあ・・。今回、2番手でお名前がでていたけれど、この座組の中での萩ちゃんの年齢や演劇のキャリアに相応しい役割を与えられて果たしていたと思うんですよね~。ショートケーキに乗ってるイチゴの役割じゃなく、土台となるスポンジみたいな役割だったなあと。そんな中でももっと印象を残していけるように・・はあるかもしれないですが、ひとつ大人の舞台人になったような気がしました。

 そして、やっぱりこの舞台の音楽の使い方は凄い!生ピアノや生歌が入る演劇はいくつか見ているけれど、ダントツにその存在感は強かったなあと。ノリマサさんのピアノと歌、柴田さんの歌、そして勝吾さん、傳谷さん、萩ちゃんの歌。豊かな音楽の印象の強い舞台だったなあ。音楽が海に、未来に広がっていくみたいなメッセージも感じましたね。ノリマサさん演じる小澤開作の息子があの小澤征爾なんですが、この征爾というお名前は、今回も登場される板垣征次郎(萩野さん)と石原莞爾から取られているということですよ・・。開作は振り返っても別の人生を選ばなかったから、きっと自分の息子に自分の音楽家としての夢を託して、その子が大きな世界で羽ばたいていったというのは、その時点では色んな問題を抱えていて、そして色んな結末を迎えたこのお芝居の登場人物たちが繋がっていた「未来」(過去形なのだな・・)を感じさせてくれるなあと感じましたね。そいえば、先週のNACK7で萩ちゃんがピアノは一台でオーケストラの働きができるんだよと言ってて、舞台永魚の開作さんのノリマサさんのピアノもほんとそうだったよなあとしみじみと。

 そしてシネマ(演劇)という別の世界で生き直すこと、それによって溥儀は自分の婉容や国への持ちを何度も何度も見つめ直すことになった。そして、それは満州を支配しようとしていた広東軍の人々もそうであった。それらに向き合い、何度殺されても(殺しても)巻き戻り、もう一度やり直していくオモイも含めたはじめとするあの12人。その少しづつの振り返りが歴史を動かしてほしいという西田さんの思いが伝わってきたかもね・・