ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

映画「ニート・ニート・ニート」の感想:北海道編

 ちょっと時間が経ってしまいましたが、あけましておめでとうございます~。2019年はどんなブログになるか見当もつきませんが、Love-tuneLove-tuneの7人のメンバーをこれからをぼちぼちとはなると思いますが、見続けていこうと思っております。もちろん萩ちゃんをはじめ彼らに熱く熱く応援出来たらとは思うのですが、あと、せっかく、彼らが事務所から離れたこともあるので、色んなアイドルを見学したりなどして、なぜかはまってしまったアイドルのことをゆる~くと考えてみたいなあとかも。

 そのきっかけになったのは、先日、長年ゆるゆると追いかけている(最近はそんなのばっかりw)あるバンドの再結成ライブに行ったのですが、そのバンドから一番離れていたメンバーからベイビーメタルにハマって、その悲喜こもごものお話を聞いたことで。その方の話し方の感触が自分とも何か共通することがあるように思えて、中高年にとってのアイドルって、やっぱり何か大きな働きを持つのかなあととても印象に残ったんですね。ABC座2016年の株式会社応援屋もそんなお話でありましたしね。色んな事を見てみる2019年にしたいなあと思っているところです。よかったら、またお付き合いいただけますと幸いです。

 さて、映画「ニートニートニート」、嬉しいことに年を越しての上映中。ほんと嬉しいですね~。都内では池袋とお台場で1月10日くらいまでの上映が決まっているみたいだし、名古屋では復活上映が決まったんですね~。色んな意味でハートフルな映画ですし、もし、まだ・・という方がいらっしゃったらぜひ見ていただければと思う次第です~。
 そんな映画「ニートニートニート」の感想などを思いつくままに何回かに分けて書こうと思います。内容的にはこんな感じ。なお原作はまだ未読です。   

  1. 舞台となった北海道のこと
  2. 伏線ではなく、想像で埋めていくストーリーの進め方
  3. 家族と守る人たちというテーマ
  4. 4人の俳優の魅力とその布置

  さて、最初は北海道とこの映画のこと。自分が北海道大好きの観光人間なもので、そんな面でもとっても期待していた映画だったのですが、雄大で綺麗な自然の北海道だけではない、でも北海道らしい色々な側面を組み込んでくれたのがとても好きでした。まず好きなのが、稚内に向かう道すがら、薄暗く、靄も立ち込める中で、暗く光るモーテルの看板の情景。北海道って自然が豊富というか人工物が何もないところが延々と続く場所もたくさんあって、日が暮れかけてくると茫洋とした自然がなんとも怖く感じることもあるんですね。自分も稚内に向かう道道66号(海沿いのあの道です)で、同じような心細いような光景を見た記憶があります。旅のほの暗い面を予感させるようなワンショットのようで凄くいいなあと思いましたよ。

 次に、何回か出てくる野宿の情景もすごく好きでしたねぇ。北海道にはたくさんの安価なキャンプ場があって、お金がなくても泊まれる場所がたくさんあって、貧乏旅行の味方でもあるのですが、それが、本州から逃げてきたニートたちの止まり木になっているのが切ないながらも心憎くて。理由はそれぞれ違えど、若者が「逃げていく場所」、「さすらう場所」としての北海道の象徴みたいなところだなあと。そして、自然の中で火を囲むという原始人みたいな生活をする中で自分の中の大事な何かを見つけていくという、昔ながらの若者の姿を見るようで、好きなシーンです。
 3つ目は、十勝の羊小屋をみんなで修理するシーン。北海道は開拓の土地。多くの人が生まれた土地を離れて、新しい自分の住処を築くために切り開いていった土地なんですよね。特に十勝は、藩や屯田兵という国主導ではなく、民間の人たちが主導で拓かれた土地らしくって、この映画の、このシーンの舞台としてうってつけの場所なんでしょうね。昭和の頃は、北海道を旅する若者がお金がなくなって農場などでちょこっとバイトさせてもらうことなんてよくあったみたいですしね(コジさんはこういう人ですよね、おそらく)。昔から見つけ出したい、変わらなければいけない若者たちが、働く中から見つけ出す、人と人の交流や、自分の能力・才能というこの映画の大切なテーマがその土地にしっかりと埋め込まれている、そんな映画の作りになんとも言えない感動がありました。

 そして4つ目。月子が最後に行きたかった遊園地。そこの廃墟になった姿が、ある意味、とても北海道らしくて心を打ちました。上の話にも繋がるんですが、北海道は色んな夢が形になっていき、そしてそれが潰えていく土地でもある。その上、広大な土地。その二つが重なったせいなのか、北海道にはあちこちに昔の施設の遺構がたくさん残っています。きちんと保管されているものもあれば、廃墟同然で放置されているものもたくさんあるんですね。十勝にもちょうどそういう潰れてしまった遊園地があってまだ残っているそうですが、道に残っているその遊園地の看板を見るにつけ、人間の営みの運命というか宿命を感じるのですが、この映画の一番大切なシーンとしてそういう光景(あくまでもモデルではあるでしょうが)を持ってこられたことに本当にズキンとしましたよ。
 そんな風に、映画「ニートニートニート」は、生きている、生きてきた北海道の光景がたくさん詰め込まれていて、その光景の中で、青春の一時さすらう人たちを守る土地となっていることがすごく感じられる映画でした。そこが本当に好きなんだなあと思うのでした。