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Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

ミュージカル「GIRLFRIEND」初日行ってきました!

 2024年6月14日、午後6時。萩ちゃんが出演するミュージカル「GIRLFRIEND」の日本初演初日が始まりました。そして無事に、そして大いに観客のハートをぐっと掴む、素晴らしい初日を見せていただくことができました。演者はウィル役の高橋健介さんとマイクを演じる萩ちゃんこと萩谷慧悟くんの二人きり。そして、バックには4人のミュージシャンのバンドの方々。大道具も中央にあるぐるぐると動く長い坂道状の台のみ。

 でも、柔らかく深く光る星々があふれるような照明や不思議な劇中劇。思った以上に多かった若者の体を存分の感じさせるダンス。そして何より空間を埋め尽くすような歌唱曲の数々。ミュージカルらしいハーモニーを存分に味わえる曲も、オリジナルのマシュースィートのアルバムのざっけない手触りのロックをちゃんと感じさせてくれる曲も、色んな種類の曲が宇宙のように溢れていて、本当に豊かな時間がそこにあふれていました。この日は日本初演ということで、脚本を書いたトッドアーモンドさんもアメリカからやってこられ、舞台でご挨拶もされるという、それを健介さんと萩ちゃんも見守るという本当にありがたい機会に恵まれましたよ~。

 そして、まだまだ同性愛への許容がなかった1990年代のアメリカの田舎町で、出会ってしまった二人の青年(健介さんと萩ちゃんの組は思春期というよりいかにも大学1年生って感じ)で、その愛(性的な部分も含めて)の深まりを、丹念に丁寧に、思いを直接的にいうか、彼らの行動や発する言葉をスケッチしていく、それを積み重ねていく、そういう繊細というか、丹念な「小説」的なものがたりだったなあって感じました。ひとつの言葉、ひとつの動き、それ自体を切り取ってもわからないけれど、その流れを積み重ねていくことで、一つの情景や「真実」が生まれる・・。そこがとてもアメリカ的というか、アメリカの小説って感じだったなあと。

 健介さんは特に表面とその奥に潜んでいるものを繊細に表現していたな~。好きなんだけど、突き放すとこがあるのもまた青年ウィルだったなあって感じて、健介さんがお相手(言い方w)でよかったなあって改めて感じました。そして、萩ちゃんはマイクのいろんな面での「無自覚性」を自分の身に引きつけて表現していたなあって感じましたよ~。大人になる前の成人男子のもつ一筋縄ではいかない、振り返ってみれば「その思いにどんな意味があったんだろう」と苦笑するような、相反する欲望が無自覚に飛び交うようなでそんな「存在」であったなあって、とても納得できるお芝居だったと思います。愛であり、恋であるんだけれど、男子の身体感覚的な「恋愛」から「愛」に代わっていく、丁寧なお芝居だったなあと。

 やっぱり、初日は萩ちゃんが、2時間近く、ずっと歌って、ずっと踊って、ずっと機構を回し続け、ずっと演じ続ける。その圧倒的なパワーに圧倒されてばかりでした。こんな贅沢な、まるで自分の「死ぬ前の夢」のような、そんな時間を浴びることができて本当に幸せでしたねえ・・。萩ちゃんが舞台に立つたびに思うのですが、ずっとこの時間が続いて欲しい、そして萩ちゃんの体が2つ欲しい・・そんなかなわぬ欲があふれてしまうのでした。あー、本当に素晴らしい舞台でした。すでにロスです・・。

 そんな想いがクリエ中に漂ってるのを知ってか知らずか、萩ちゃんはひょうひょうと「この今」の空間を存分に楽しんでいるのでした。