ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

映画「ツーアウトフルベース」のざくっと感想

 早いものでHuluでのDate withツアーの配信2日間も終わってしまってちょっと寂しい月曜の朝。しかしながら、最後に4月29日からこれもまたHuluで配信される冠番組も発表されて(トーク番組の最後を迎える前だったのはご愛嬌かなw)、2022年度の始動も更に加速しそうです・・。また色々と分かってきたら感想など書きたい~。

 さて、今日は顕嵐ちゃんこと阿部顕嵐くんが映画初主演し、モロちゃんこと諸星翔希望くんが出演した「ツーアウトフルベース」。最初は7ORDERが主題歌を担当していたけれど、そんなにはいかないかな?と思っていたんですが、見れば見るほど、あの世界への懐かしさというか、やっぱりすっごく馴染んでしまう自分がいて、3回見させていただきました(ってあらんちゃんファンから見たら少なすぎるかもしれませんが・・)。まずは公式HPとトレーラーとモロちゃんのコメント動画を・・

twooutfullbase.com

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 映画自体の感想の前に、自分語りで申し訳ないですが、その懐かしさを少しだけ振り返ってみますね。テレビや映画の若手俳優、それも大手事務所に属する俳優さんは、そのキャリアの最初の方で今回のツーアウトフルベースのようなホントに怖い闇社会や裏社会の住人達に翻弄されるそんなに長くない映画やVシネマに起用されることがよくあります。窪田正孝くんのガチバンであったり、山田裕貴くんの闇金ドックスであったり、ダークだし、ハードだし、ヤバいし、痛いし・・というヤツなんですが(そこをもう少し上澄みにするとHigh & Lowにになるんですかね)、登場する俳優さんたちの存在感であったりお芝居の良さであったり、映画ならではのキレる映像やアクションであったり、そして主演俳優のみずみずしさであったりして、とても面白くてクセになる一連の作品群があるんですね・・。これは顕嵐ちゃんもCUTでもお話してたと思うんだけど、舞台とは違う映像系の殺陣の世界とか、3日とか1週間で撮影終わっちゃう早撮りの経験とか、カメラにどう映ってるかみたいなとこの感覚とか・・。映像ならではの色んなスキルを学ぶ場でもあるなあと。

 うちの子たちを推す前に窪田くんのファンだった自分にとっては、ツーフルのトレーラーをみて、「あ、あれではないか・・」と感じておりました。共演の板垣瑞生くんもスターダストの期待の星とのことだし、そういう映画が回ってくるの、まさしくじゃん!と一人で興奮していたという次第です。さて、そんなツーアウトフルベースですが、実際に見ても、人生がけっぷちの若者が、ダークサイドのギリギリのところで生き延びる・・そんなお話でしたね。役名が付いていない方が多いのですが、主なキャストはこんな感じでした・・。あー、ほんと好きな俳優さん多い・・。そして佐野くん久しぶり~。

阿部顕嵐:イチ
板垣瑞生:ハチ
工藤遥:サキ
諸星翔希:チャー坊
新羅慎二:アントニオ
後藤剛範:ヒロポン
渋川清彦:オニヘイ
渡部龍平:オニヘイ組のスキンヘッド
趙珉和:オニヘイ組の小さい方
宮崎秋人:元野球部の同僚(?)
成松修:大きい刑事
佐野和真:小さい刑事
カトウシンスケ:運び屋

 陰影の深い映像の中、顕嵐ちゃんのお芝居や存在感の瑞々しさが素晴らしかったな。面白くも怖い怖いあちら側とこちらに残ることができた人の紙一重の違い、純粋さとか弱さをくっきり描き出しててくれてたなあと。チャー坊もきっとこちらに残っちゃう人な優しいクズさが素敵よかったなあと。そして、あちら側の方々も全員めっちゃ好きだった。どの登場人物も怖いんだけれど、妙に生活を背負って、それぞれに一生懸命生きてるところが好きになっちゃう危ない映画。個人的には、趙さんと宮崎さんという普通だったら役名あるでしょなオニヘイ子分のお二人も相変わらずとってもよくって。佐野くんがすっかり味のある俳優さんになってたし、ヒロポンも好きだし、ハチとサキもほんと上手かった・・。

 それにしても、ハチの愛嬌と言うか、あの笑顔が本当によくって。あの笑顔の純真さあったからこそ、イチは生き延びれたんだと思うし、イチのまっすぐさがあったからハチも生き延びることができた。イチとハチがニコイチでいられたことの幸運をなんだか感じたなあ。そんなイチを演じた板垣くんは、カッコイイ系の俳優さんなんだと思うけれど、あのぼっさりした風貌で思いっきりバカを演じられる板垣くんは凄いなあと思ったのでした。

 2回目には、イチ、ハチ、サキの気持ちをもうちょっと丁寧に感じられてるようになって。あと、モロちゃんのチャー坊、演技を苦心していたとは感じられないくらい、等身大のクズな感じがよかったなあ。ボコボコにされっぱなしだったけれど、あの成松さんにめちゃボコられたのは凄くいい経験だったのかも。舞台での、馴染んだメンバーとのお芝居ももちろん楽しいけれど、こうやって、これまでにないフィールドで、これまでにない経験をしていく顕嵐ちゃんやモロちゃんよかったなあ。

 3回目になると、シーンや一つ一つのモノに意味が込められている感じのとても映画らしさにようやく向き合えるようになり。イチの心情としては一番クライマックスの、追い詰められて妄想や幻聴に襲われる中で、そいつのおかげで野球部を辞めることになった元同級生と出会って、腹に一物ありながらも、当時のお互いの心情を交換し合う場面。その中で、イチが最初、ペットボトルの水を買ったけれど妄想や幻聴で水が飲めなくて投げ捨てた後、その元同級生とのやり取りを経て、彼らから貰ったペットボトルの水をグッと飲むところ。ずっと飲めなかったものが色んなもやもやも含めてようやく腹に収めて、そこから挽回に入る。その、飲めなかった水と飲めた水の対比の表現がとてもよかったなあ。それが言葉でなくって、映像として示されるところ。舞台にはない世界だなあとそんなところも楽しかった・・。

 リアルなのかどうなのかわからないけれど、ここのところよく見ている舞台の世界とは全然違う悪い人たちの描き方とか生活の描き方とか、そういう今までにはない世界で顕嵐ちゃんが演じていることが凄く面白くて、舞台でも映画でもドラマでも色んな作品に出て欲しいなとしみじみとしたのでした。一つだけ、気になってるのはあの暗闇の中で「撃て!」と言ったのは誰だったのかなあ・・。イチの声ではないという確証は持てなかったんだよな・・でも違う気はしてるんだけれど・・。そんな世界を久々に味わえたことはとってもよかったな~。顕嵐ちゃん、モロちゃん、そしてこの映画に7ORDERの楽曲を据えてくださった新羅さんを含めた周囲の方々、本当にありがとうございました。