ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

札幌

 なんとか体調回復につとめて、7ORDERのライブを札幌で見ることができました。。ずっと同行してもらってる家族が当ててくれたもので、今回のツアーでは唯一の生で見ることができる公演になりそうです。ご時世であったり、自分の体調も含めて、色々と乗り越えてのライブだったのですが、本当に素晴らしくて、エンターテーメントを前向きに更新していく彼らの姿にとても感動しました。覚えているところのスケッチになりますが(そして色々と記憶違いのところもあるやもしれませんが)、推しである萩谷くん中心のメモですが、書き留めておきたいと思います。

 2021年8月9日 Zepp Sapporo公演

 上手にドラムセットがそびえる台。下手にキーボード2台鎮座する台。その他には何もないと言っていいくらいシンプルな会場。照明が落ちるとSEの音も止み、メンバー7人が静かに登場。いつもどおりのそれぞれの持ち場の位置に着く。

 照明が付くと、萩谷くんのいつもよりかなりに激しいドラムソロが鳴り響き、安井くん、顕嵐くん、諸星くんのフロント3人衆がフロアを煽っていく。真田くん、美勇人くん、長妻くんの楽器も鳴り響き、本当に、普通にバンドライブの始まり。 

 1.Break it:1曲目はこの曲。長妻くんのキーボードのメロディを全面的にフィーチャー。萩谷くん、美勇人くん、真田くんが刻みだすリズムもタイトで太く本当に乗りやすい。その上、安井くん、諸星くん、顕嵐くんのボーカル隊が片腕を高く掲げてリズムをとってもわかりやすく見せてくれている。これが本当によくって、お客さんもいい感じでその見せてくれるリズム(裏打ちだった気がする)にのれたなあと。今回のライブはこれまで以上に新しいファンの人、いつもはジャニーズ事務所を応援している人と雑多な感じの客層だったと思うけれど、フロアのノリを率先して作ってくれたのはとってもよかったんじゃないかと感じたな~。それにぴったりの1曲目でした。

2.タイムトラベラー:どんなセットリストでになっても2番打者の位置はこの曲ってのも嬉しい限り。バンドのノリが直接伝わってくるように感じる。そして、今回、バンド曲は楽器隊も含めてほぼ生歌。ストレートに音を届けられる比較的小さな会場だからこそできる手法でだったなと感じましたし、武道館の時よりも更に7人とも歌、上手くなってましたねえ。ライブで、生歌でも、それぞれの声がしっかりわかるようになってきたなあと感じました。

3.LIFE:これもフロントマン3人のステージアクトが光っていた~。対お客さんに対しては腕を振り上げてもいいことがちゃんと伝わるし、バンドメンもそのフロントマンの動きを感じながらリズムを作り出せていて、その上に乗って行けた気がしましたね。バンドってボーカルも含めてちゃんと楽器でみんなでリズムをつくるんだというLIFE。これまでで一番良かったかも!

4.Perfect:この2曲はダンス曲。LIFEが終わった後、わらわらっつとステージ中央に集まってくる7人の「生感」が好きでした。って、このステージ、つなぎへの意識は割とフラットで作り込むのとは反対(例えば、武道館のMOみたいな)でこういうハコならではでよかったです。全身を使って踊るPerfectの特徴を残しつつも、軽めの衣裳で更に複雑に手足を使って、でも、美勇人くんのセンターダンスで特徴的なように、まるで操り人形のように手足をぐわんぐわんとたゆませ弾ませ踊るダンスになってました。7人が左右に何度も交差しつつ移動し絡んでくより見せるダンスになっていましたね。

5.Make it true:こちらもがっつりと踊るダンスナンバーなのですが、もう振付が全然変わっていて。今回はストリート対決っぽいというか、2、3、2と3組に分かれてお互いにダンスバトルする・・みたいな趣向、振り付けになっていました。個人のダンス技能が更に自由に発揮できる曲になっていたのではないかと。ダンス曲での歌は被せだったと思うのですが、真田くんのように声が大きくてしっかり歌える人は生声がしっかり伝わるようになってました。これも小さな会場ならではの嬉しさ。

6.花:ここでSUMMER様様でお世話になったORANGE RANGEさんの「花」を。7ORDER初(そしてらぶ時代からも初めての)の外部アーティストさんのカバーを。シンプルな編曲。ギター、ベース、キーボード、そしてドラムの音がよく響きあう。何よりボーカル隊をはじめとする歌の力。もちろん安井くん、諸星くん、顕嵐くんのよく響く、そしてしっかりニュアンスのある歌もいいし、バンド隊4人の、そして大サビを任された萩谷くんの透き通る、でもよく響く美しい声。それにしっとりと寄り添う安井くんのコーラス。まっすぐに音楽に向かい合う7人を象徴する今回のツアーの一つの代表的なシーンではないかと思います。

7.SUMMER様様:聞かせる「花」から躍らせる「SUMMER様様」へ。軽めでもぐっと腰にくるリズムとバンドのノリで躍らせるとこも素敵だし、ボーカル隊3人の手振りのわかりやすさになんだか感動しちゃったなあと。顕嵐くんの手をひらひらさせながら少し腰をツイストさせながら踊ってるところがとっても素敵でした。冒頭の3曲でも感じたけれど、観客を自分たちの世界に上手くお招きして、みんなで楽しめる空間を作る上手さを感じました。

MC:ここで唯一のMCタイム。ある意味いつも通りだけれど、ここまでの流れで来るとすっごくアイドルタイムになっていて、とってもメリハリついてました。あまり内容を思い出せないんだけれど、安井くんが厚い配慮で女心をくすぐるトークで圧倒的支持力を見せてくれた・・なのかな?(笑)。一方で、私はこの日夫と行ったのですが、美勇人くんが「(女性のこだわりは男性には理解が難しいというお話で)男性のお客さんがウンウンとうなづいてますよ」と言ってくれたので夫も大喜び。男性ファンもちゃんとかまってくれてありがとうだし、本当に落ち着いていて視野の広い美勇人君だなあと。

 安井くんが大盛り上がりのフロアを前にして、北海道や札幌の人々がとても優しい、ここを基盤にして南に攻めていきたい・・みたいな冗談を言って言ってて笑いをとっていたんですが、翌日の「イチモニ」という地元の朝の情報バラエティでの7ORDERのたっぷりとした取り上げられ方を見ていたら、その思いもなんだかわかるような気がしたのでした。もうひとつ今回のMCで気になってることといえば、元の所属事務所の仲間のこともちょこちょことりあげてくれていること。昼公演では固有名詞で出た訳ではないけれど、顕嵐くんが親友、美勇人くんが「だらしない方のカイト」ってうみんちゅの話題を出したり、私の参加した夜公演ではこの後の曲の前振りでさなぴーがいいとも青年隊のシメの拍手を披露すると安井くんが「のんちゃん元気かな」とさりげなく言ったり(そして、当の真田くんとメンバーは少しざわざわ)してましたね。その意図は?とついつい考えてしまいますが、個人的にはこれも掛け持ちなどで興味を持ってくれて足を運んでくれたお客さんへのちょっとしたファンサかなとも思ったし、更に自由にお話の幅を広げていけてるんだなあという今のよき状況を感じたりもしました。

8.BOW!!:安井くんからリングライト&ペンライトを消してとのお願いがあり、ここからアコースティックコーナーの2曲。萩谷くんが中央の壁の張り紙をペリペリとはがすと階段状になったセットが登場。下手から上手に上がっていくような感じになっていて、一番下がカホン(アフリカの、足の間に挟んで叩く打楽器)の萩谷くん、その右に可愛いキーボードと振ってしゃかしゃか音を出すマラカスみたいな楽器の二刀流の長妻くん、その後ろにアコギの安井くん、また段を上がって諸星くん、美勇人くん、そして上段手前に顕嵐くん、そして一番上がギターの真田くん。曲の基本をなす打楽器から、ベース的な音の楽器、そしてボーカルやメロディを奏でる楽器・・・と音楽の構成を視覚的に見せてくれる舞台セットなのかなあと感じました。

 歌割もオリジナルとは全く違っていて、優しいリズムや音の中で、穏やかにハッピーに歌い上げられるBOW!!。素敵でしたね。それにしても長妻くんの二刀流、よかったなあ。難しかったと思うんですが、いつも本当にチャレンジが凄いねと。

 9.27:アコースティックセット2曲目、何が来るかなあと思っていたら、萩谷くんが「ふと目を閉じる・・・」と美しく美しく歌い出して本当にびっくりしましたよ。今までとは違うフレーズを7人とも切々と歌い上げていく。萩谷くんが全身を使ってたたき出すリズムに6人の音が絡み合うように重なっていきもののような1曲が生まれていく。音を楽しむから音楽、そんな当たり前のことを再認識させてくれました。
 そして、サビを歌い上げる真田くんの切々とした歌唱とギター。27という音楽を作り、そして舞台で演じたからこそ伝わる曲への思いの強さ。久々に舞台27のユウマを見たような気がしましたし、だんだんこの壇上に座ってるのがあの舞台7ORDERの登場人物の7人にも見えてきて。7人の俳優として磨いてきた表現力もこの1曲に詰め込まれているような気がしました。それぐらい7人がステージにたたずみ歌う姿には詩情というものが溢れていて、歌と演奏を超える世界が広がっているようでした。7ORDERとして目指すエンターテーメントのかたちが見えたような気になってしまいましたね。
 それにしても、全身で音楽を、リズムを表現し演奏していく萩谷くん、本当に素敵でした。この公演をみることができて本当によかったなあと思いました。

 10.Monday morning:7人7様のハットをかぶってのダンス。MOといえば、しっとり歌い上げる歌もの・・というイメージがあったけれど、今回は7人一列の隊形から(で?)よく踊っていました。どんどん見せ方が増えていくの嬉しいし、ダンスが大人のダンスになってきているんじゃないかと、素人目ですが感じるのでした。あと、ここまでくると歌でしっかりハモるコーラスを入れられるようになると更に感動ポイントが増えそうな気がします。上から目線かなと思いつつも、こう手を伸ばすとこれができる・・それも実現可能なスキルとしてもう視野に入ってきている・・そんな感じが凄くありました。

 11.&Y:こちらもダンス天国。こちらも少しアレンジが変わっていたみたい。狭いステージだからこその迫力感にドキドキワクワク。これは本当に初めて見に来たファンの方にたくさん見てもらいたくなるダンスだったなあと。そして、最後、照明が落ちて、萩谷くんだけが上手のステージの一番前に立って、スポットライトを浴びながら、客席をまっすぐ指して。その強い目線、その激しく躍動していた肉体の名残の響き。本当に美しかった・・・。そして、なぜに、この演出と戸惑っていると・・。

12.What you got:そのスポットが消えると、ずんずんとドラム台に上がって、乾坤一擲のドラムソロをぶちかます萩谷くん。すると、上手から美勇人くんが登場して、ドラムの音をバックにソロダンスを披露。気づけば、一番高いお立ち台には真田くんがいて、二人が紡ぎだすリズムに合わせて、ギターソロ!この時、真田くんが本当に嬉しそうに萩谷くんや美勇人くんに笑顔を投げかけていて素敵でした。それにしても、このさなはぎみゅの始まり方を見ると、以前テレビで見た2015年2月のガムシャラ J's Party!! Vol.8を思い出してしまいましたよ。その1年後に結成された前身グループであるLove-tuneの源流ともいえる、バンドの彼らの始まりの、色々あるんでしょうが、その1つの公演。ここでこの楽器とダンスというスタイルを、しっかりと彼らの技量が高めた状態で、もう一度考える・・そんなフェイズに来ているのかなあと、とても感動しました。
 そして、あとの4人も登場して、真田くん、萩谷くんもダンスに合流して、あの名曲、名パフォーマンスのWYGを完全リミックスして繰り広げるダンスの応酬。そして、時折、楽器演奏も入るというかなり複雑で、パンクな感じだったのでその後はあまり覚えていないので(笑、ぜひ配信などでしっかりとこの当たらなWYGを見せていただきたいものです。

13.Sabãoflower〜GIRL〜Love Shower〜Sabãoflower remix:そして、WYGの緊張を解きほぐすかのような3曲のメドレー。これまで以上にしっかりとダンスも入っていて、でもこの3曲らしい明るさや優しさに溢れていてとっても素敵でした。これもすぐに配信で見せて欲しい~。

 14.雨が始まりの合図:本編のラストは「雨が始まりの合図」。バンド曲でしたが7人の歌がよく響いて、明るい雰囲気が会場中に満ちていて、素敵なラストでした。安井くんが挨拶(かな)言っていたように、またそんなに遠くない次の機会を約束してくれるような彼らの確かな歩みとライブの盛り上がりを感じさせてくれました。
15.ダンスセッション〜SUMMER様様:アンコールはどの曲?と思っていたら、なんと美勇人くん先導で始まるダンスセッションタイム!いや、この大変な時間帯にここまで体力使うのねとびっくりでした。ダンス、バンド、歌の技量ももちろんですが、こういう持久力といった体力的な面からもますます成長してるのがわかりますね~。そして、ダンスバージョンでのSUMMER様様の披露!。この時にそれぞれの土地の名産を入れ込んでいくんですが、9日の夜は「ジンギスカン~!」でした。可愛いぞ~。そして、RAPバドルパート(おそらく)ですが、萩谷くんが突如逆立ちをして歌い出します。すっごい体力!そしたら、諸星くんが負けじと逆立ちして歌い出して、他のメンバーが2人をそれぞれ支えて、一体これは何を見ているんだか・・・な世界が広がっていました。

この日の、音楽、歌、演奏、ダンス、そして楽しいトーク。すべてが彼らの体を直に介して、直に届けてくれるものばかりで、本当に贅沢な時間をいただいて素晴らしかったです。ファンの欲目もあると思いますが、彼らの届けたいエンタメが新しい形を持って生まれつつある。その始まりに立ち会えてよかったなあと感じます。ぜひ、このライブが一人でも多くの方に伝わるよう、願ってやみません。