ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

回顧についてのメモ

 まだまだコロナの流行も収まらず、とはいえ遅ればせながらも暑い暑い夏がやってきました。7ORDERさんもファーストアルバムOneについての発売日などの詳細発表を前に、なんとなくですが夏休みを取ってるのかな~みたいなのんびりムードな気がします。とはいえ、8月26日に発売される雑誌「GIRLS CONTINUE」さんの7ORDER特集が凄いことになってるみたいで、ファン界隈がザワザワしている今日この頃です。

  さて、そんな中ですが、勝手に夏休みということもあって、少し最近のもやっとした思いを書き留めておこうかなと思います。題材は「回顧」。先日Youtubeで公開された安井くんのお誕生日お祝い曲「始まりはいつも雨」の歌詞の中に「愛と秩序を固く結んで」という歌詞があって、前事務所時代から彼らが経験してきたことと今の彼らの在り方をしっかり結んでいこうという姿勢を示してくれたことは、少なからずのファンにとって「あの時代」を愛しても振り返ってもいいんだと感じさせてくれたようです。一方で、前事務所時代に一緒のグループだったメンバーが変わらぬメンバー愛を示してくれたり、後輩のグループの活動から、前事務所時代のメンバーの活動にもう一度目を向ける・・という流れもある気がします。個人的には、後で書く理由もあって、前事務所時代のパフォを見ることがめっきり少なくなってしまったのですが、グループを組んだばかりフレッシュなメンバーが前事務所のフォーマットで見せてくれるパフォーマンスは素晴らしいので、最近7ORDERを知った人には見ていただけるんだったら見てもらいたいなあ(くれぐれも市販されているディスクでね)とか、知ってもらえたらなあとも思う訳ですが、一方でなんだかもやっとする・・と思うところもあったりするのですね。
 まず第一にもやっとするのは、やっぱり前事務所時代のパフォーマンスって、過去のものであり、少なくとも今の状況だともうやることはできないんですよね。たぶん、その時の仲間との直接的な共演も長い時間が経った後(それこそ『十年後またここで会おうよ』です)ならまだしも、すぐには難しいでしょう。彼らは、全部そのことを分かっていて、それをちゃんと引き受けて、その暗黙のルールを守って今活動している。そして、今、新しい彼ら自身のパフォーマンスを作り上げていて、前日の配信ライブでは13曲ものオリジナル曲を見せてくれた。彼らが前事務所時代に作り上げてきたスキルや人間関係という「形にならないもの」はちゃんと今でも続いていて、折あること伝えてくれている(気がする)。だったら、その過去の「形あるもの」ばかりに目を向けるのはもうやめにしてもいいんじゃないのかなあと思ったりします。彼らが本当に作りたかったものは今のこの先にしかない、それは消去法ではなく、彼ら自身がそれを積極的に選んだから・・ということを大切にしたいなあと思うのです。
 もうひとつずっと思っているのは、前事務所時代に彼らが作ってきたものは「彼ら自身だけのものではない」かもしれないといいうこと。彼らが約2年間やってきたあのパフォーマンスは彼ら自身だけで作り上げたものではなく、色んな先輩からの曲や衣装やそしてグループの形態を引き継いで、それに新しいエッセンスをひとふりふたふりするために、彼らが選ばれてその「伝えられてきた形」を新しく更新した。っていうことなのかなあと思うのですね。ジュニアの衣裳の多くが先輩のおさがりの衣裳だったり、先輩の曲をどういう風に組み合わせてどうパフォーマンスをするかが彼らの本分であったのかなあと思うのです。事務所のある先輩が「自分たちは『器』だ」と言っていてことある毎にその言葉を思い出すのですが、バンド形態のJrのグループもあったし、すでに解体されたグループの衣裳も着ていたこともある、すべてはずっと過去から流れてきたものを彼らは「あの時のあの場所」で表現していた(私もそのすべてを知ってるわけではありませんが)。彼ら自身の能力やスキルが素晴らしかったのはもちろんなのですが、その力で表現しようとしていた楽曲やパフォーマンスは「彼ら自身のものではない」、そんな気がする今日この頃です。

 (日本の)会社と言うのは不思議な生命体で、ひとりひとりのいのちをのみ込んで、その代わりにお金やらスキルやら名誉やら色々なものを授けてくれるけれど、そこでそのひとりが生み出したものは「会社のもの」であったりしますし、作り出したものを共有するという面がなければ「会社」にはならない。だから、それを社員一人のものにすることもできない。ゆえに、彼らは自分たちのものと言える楽曲やパフォーマンスをするために独立したのかなあと思うのです。それでも今の彼らが基盤にしている、彼らがその場所で学んで体に染み込ませてきたスキルや理念、築いてきた経験や記憶や友情は「彼ら自身のもの」というか「彼ら自身の中にしかないもの」であり、それは「会社の中にいた彼ら」を見ることで伺いすることができる。いや、まだまだま自分の頭の中の整理がつかないですけれどw。もちろん、何が正しいということもなく、それぞれに道は厳しいでしょうけれど・・。そんな複雑な面も今の彼らにはあるのかなあと思っていただきながら、回顧をしていただけたら・・とつい思ってしまう一人で生きたり、会社でも生きたりもした、退職間際のおばちゃんのひとりごとでありました。