ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

UNORDER ライブの構成の印象

 早いもので7月17日に配信された7ORDERの初のデジタルショー「UNORDER」から1週間。18日から本日23時59分まで有効のアーカイブチケット(streaming+)も購入して、来る日も来る日も初めての7ORDERのフルライブを繰り返し見ている。まるで砂漠に水を撒くように見ても見ても見飽きないのは、いかに自分が7ORDERのコンサートに飢えていたのか、待ち望んでいたのかという証拠でもあるのかなあとは思ったりしている(いや、去年からの連続舞台にもそれはそれは満足していて、彼らへの憧れと尊敬は更に上昇していたのだけれど)。

 でも、それだけではなく、しっかりと構成され、ダンスやバンドの歌の細部にも意匠とスキルを凝らしており、更にはコンセプト通り生のライブでできないことをしようというコンセプトをしっかりと貫いたからいたからということも本当に大きい。いまだに、全然見切れていない、どっからこの堅牢な構築物を攻略したらいいのか・・そんな感じが自分の中に漂っていて、途方にくれていたりもする。アーカイブの配信は本日24時までで終わる。とてもじゃないけど時間が足りない。このデジタルショーの円盤を早く出して欲しいと焦るような気持ちで今祈っているところだったりする。

 さて、今回のUNORDERライブは色んなライブの経験はしてきている彼らにとっても初めてのことが多かったという。お客さんのいない中での初めての収録ライブ。AR技術とのコラボ。だからかもしれないけれど、ライブの構成や曲の選び方は実にしっかりしたものだった。マイナビニュースさん他色々なネット記事も発表されているセットリストはこちら。

1.Make it true
2.Perferct
3.Sabaoflower
4.BOW!
5.タイムトラベラー

(ゲームコーナー:気配切り王者決定戦)
6.Monday Morning
7.Rest of my life
8.Love Shower
9.ダンスナンバー
10.What you got
11.LIFE
12.Break it
13.27
14.GIRL

  まず、ドラマチックにめっちゃ動くダンス曲(1,2)から始まり、7ORDER最初からやってるバンド曲(3,4)でグループの調子を整え、その後長めのアナログなバラエティコーナーでさらにリラックス、しっとりでもカジュアルにバラード系の完全新曲を披露(6)、そこからいよいよ佳境に入り、意匠を凝らしたダンスパフォーマンス曲(7~10)を披露。そして、がっつり&歌ものなバンド曲(11~13)で本編を締めくくり、そして、ファンから募集した塗り絵とGIRLの衣裳を披露するアンコール(14)ってて感じだったかなあと。

 個人的には華々しいダンスパフォーマンス曲(7~10)とストレートに演奏力と唄の力(13曲目27の7人の歌唱力に自然と涙)を披露するバンド曲の対比が少し意外だったけれど、それだけ彼らの今の実力を誠実に見てもらうことが彼らにとっては大事だったのかなあと感じたな。ARチームとのコラボで配信でしかできない演出を交えつつも、そこのスタンスは崩さない。去年の日経womanのインタビュー記事で萩ちゃんが「音楽に対して嘘はつきたくない」というコメントを残していて、もしライブがあるとしてどんなスタンスになるんだろうと思っていたんだけれど、その言葉をきちんと掲げつつ、かつエンターテーメントなコンサートになっていたのには凄いなあ、この人たちのまっすぐな成長とそのための努力は凄いもんだなあと強く感じたなあ。

 そんな全体の構成の中で、個人的に一番、印象に残ったのは、どの楽曲でも、ひとりひとりの表情、お顔だけじゃなくって、腕も、体も、脚も、どこをとってもきちんと感情や思いが迸っていて、「曲の心」みたいなものをしっかり表現して、それがストレートに伝わってくるところだった。例えば、1曲目のMake it tureが終わって、、暗転して2曲目パーフェクトに入る時にパンッと明かりがついて、7人のフォーメーションが表れる。その立ち姿とかポーズの決め方が全員とも本当にカッコよくってビリビリと痺れてしまうんだよなね。7人とも立っているだけでかっこいいし、何か溢れるものがあって凄いなあって、その1瞬で引き付けられてしまうと。

 そんな風に1曲、1曲がとても濃い存在感や完成度を放っていたけれど、その理由として、今回のライブの曲の多くが別の演劇舞台の中で作られて、何回も何回も自分たちの体で練ってきたこともあるのかなと。2019年の8月~9月に公演された舞台7ORDERのナンバーでそれからのイケダンイベントやファンクラブイベントでも演奏されてきた3~5と11、12。みゅーさん主演のラディカル・パーティーの劇中歌1、7、11とゲストであった安井くんと顕嵐ちゃんと一緒に踊った2.そして、さなぴー主演の27の劇中歌8.そして、舞台が中止になってしまったけれど2度目の7人公演のタイトル曲だった14.どれも約1か月くらい何度も何度もパフォーマンスしてきた曲をもう一度今度は7人のためのパフォーマンスに構成しなおして披露することとなった。

 この体に染みついた曲を他のメンバーのために構成しなおすこと、そして他のメンバーが渾身の力を振り絞ってやっていた曲を自分に落とし込んでパフォーマンスすること。もともとJr時代に先輩たちのたくさんの曲を、同じであっても曲を何度も色んな風にかみ砕いて表現しなおすのはとても得意な人たちだったことを思い出したりもした。そんな風に、メンバー間に曲の解釈や再解釈が行き来すること。それを7人で演じるよう組み立て行くこと。今回、コロナウイルス流行の影響で、様々な舞台やイベントが中止になったことで返って7人だけでの練習やリハーサルにもかなり集中してできていたように配信の購入者特典メイキング映像を見ても感じていた。なかなかこんな風に一つのコンサートに集中して時間を取れることってなかなかないのかもしれない。こんな風に積み重ねてきた時間が、7ORDERメンバーの今回の曲の表現の強さや深さに表れていたのかなあと思うのだった。

 そんな風に、UNORDERライブの特典メイキング映像や本番映像を見てると、若い人達が「本番」に向かいあうことって、彼らの成長のために本当に大切なんだなあって感じる。大きな課題に向き合って、観客のためを思って、ひたすらものを作り上げていく。そんな時間を持ちながらの、7ORDERのファーストライブだったのを、ファンである自分も知ることができて本当によかったし、それも含めての一個のライブだったのかなあとも思う。きっと、彼らには、まだまだやることはいっぱいあって、きっと色んな世界に目を向けてやることを広げていくんだろうなとも思うし、長い目で応援できるグループになるんだろうなあ。そんな、明確な姿を見せてくれた第1歩がこの大変な大変な2020年の夏に起きたということを、それがグループとしての7ORDERのコンサートの第1歩だったということをしっかり覚えていこうと思う。