ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」THE MUSICAL @ニコ生の感想

 阿部顕嵐くんが主演するFINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」THE MUSICAL。残念ながらコロナウイルス感染拡大の予防のために3月6日からの全公演が中止となってしまいました。そして、3月12日に無観客の状態でのたった1回の上演とニコニコ生放送での配信が決まったのでした。前代未聞の初日と大千穐楽の公演。キャストとスタッフの皆さんには本当に様々な思いが積み重なり、大変だったかと思うのですが、そのたった1回の公演は本当に素晴らしいものでした。幸い、3月27日までは1回27時間3600円(プレミアム会員だと3000円!)で視聴できますので、ぜひご覧いただきたいと心からお願いする次第です。

 まずは、素晴らしいキャストの皆様と配役を・・・

  レイン:阿部顕嵐  ラスウェル:仲田博喜
  フィーナ:七木奏音 リド:青野紗穂 ニコル:法月康平 ジェイク:岡田亮輔
  サクラ:桑江咲菜 魔人フィーナ:小嶋紗里
  王土のヴェリアス:岩城直弥 劫火のヴェリアス:加藤靖久
  天風のヴェリアス:北村圭吾 光輝のヴェリアス:三枝奈都紀
  水華のヴェリアス:立道梨緒奈 
エル/シエラ:松井遥己
  皇帝ソゼ:森 一平  ラザロフ博士:阿瀬川健太
  エヴァン:村田 恒  ルルカ:竹井未来望 ソフィア:新原ミナミ
  荒居清香 小川鈴花 佐藤侑愛 AMI NATSU KAWATA
  レーゲン:良知真次
 キャストの皆様のインタビューとスタッフ一覧が載ってるスクエアエニックスさんのHPもなかなか素敵なので貼っておきます。
 7ORDERメンバーの新しい舞台を見るたびに、自分の知識や経験不足を痛感するのですが、今回も本当にそうでした。生でステージを見たことがあるのは顕嵐くんと仲田さんしかいなかったのですが、歌もお芝居も全員素晴らしかったし、みんな役にはまっていて、しっかりとFFBEの世界を作り上げていたと思いました。特に女性キャスト、Wフィーナとリドの声の良さ、歌の表現力、そしてカッコよさと3拍子揃っているんですよね。その上、デュエットやトリオで歌う時まであって、その度に悲しくない場面でも涙が溢れてくるんですよ・・。凄かったなあ。ネルケの舞台を見るようになって、女性俳優さん達のレベルの高さを十二分に生かせる脚本、舞台づくりがしっかりと発展しているんだなあと感心する日々であったりします。そんなフィーナ役の七木さんのブログが本当に素敵だったので、それも貼っておきますね。二人のフィーナの対比や二人ならでは作り上げる複雑で愛に満ちたひとつの人格が好きでした・・。
 そして、そして、レーゲン役の良知さん。ジャニーズJrの出身であったということも知らなかった本当に不勉強な自分でしたが、その素晴らしさにやられました。ある意味、真の主人公だったレーゲン。怒り、悲しみ、慈愛、勇猛、冷静、情熱、喜び、恋、すべての感情とすべての歌を司るかのようなオールマイティぶりでした。カッコよかったなあ。良知さんが、ジャニーズにもいらっしゃったこともあり、その後、ご自分の力で舞台で大活躍されているのは、ある意味顕嵐くんや7ORDERのメンバーにとっての一つの素晴らしいロールモデルのような方なので、そんな方顕嵐くんが親子を演じたのは貴重なことだったに違いありません。二人が並んで敵と向き合う時が本当によく似ているんですよね。プレゾン繋がりだそうですし。そんな風に思うと一方で、レーゲンとラスウェルが強い愛情と絆で結ばれた義理の親子であり、その子ども達であるレインとラスウェルが固く手を結びあって前に進んでいくのもまた深い意味というか、未来へのであったような気もしました。
 さて、最初に話すべきだったかもしれませんが、このFFBEミュージカル、本当によかった。素晴らしかった。休憩を入れたら3時間以上かかっていたのですが、それを全く感じさせないストーリー展開の面白さ、元のゲームシナリオを上手くまとめ、更に演劇ならではのドラマチックさも加えて始終びっくりさせられていた気がします。すれ違うきょうだいの絆を軸に、不幸に陥った者たちの怒りと苦しみにまっすぐに立ち向かい理想を実現しようとする若者たち。親しみやすく、でも、バラエティと聞きごたえたっぷりのたくさんの楽曲。FFの世界らしいしんとするような青いクリスタルの色を基調として、澄み切った豊かな光と映像で舞台を彩っていく演出。
 スーファミの頃にFFをしていたおばさんな自分にも嬉しかったのは、白魔導士黒魔導士の衣装とか、ポーションの瓶とか、フィーナの歌に突然出てくるチョコボの話とか、往時のファンでも懐かしくなるような意匠がたくさんあったり、ちょっとした動きが当時のゲームっぽかったりして、「あーこれ!」っていう瞬間が多かった気がします。お芝居や音楽をちゃんと展開してのコレですから、本当に作りこんであるなあって思いましたね。1回だけでもしっかりと記録に残したくなるのがよくわかる舞台でした。本当に素敵なミュージカルでした。
 さて、われらが顕嵐くんのレインのこと。歌はまだまだだったと思うんですが、彼のお芝居を何回か見てきて、そのいいところがたくさん出ていたように感じました。なんていうか、気持ちをガツンと入れるが相当に上手い。OPの冒頭で、「騎士の誇りを剣に込め」っていう歌で、あの大きな剣を少し手元にやって、ぐっと見つめているんですよねよく殺陣もお芝居の一つ。お芝居の中で生きている殺陣ではなければと言われるけれど、顕嵐くんにとっての歌や殺陣もそういう意識が凄く高いのかなと感じました。歌もお芝居もまだゴツゴツしてるけれど、思いの強さと複雑さが顔や声の表情に乗せよう乗せようとしているところがほんと好きで、多分この人は30歳くらいになったら物凄くいい俳優さんになるだろうなあって感じるんですよね。ずーっと見ていきたい俳優さんです。
 そして7ORDERファンにFFBEミュージカルを見てほしいのは他にも理由があって、主人公のレインの言うことが本当にLove-tuneの頃から今に至るまでファンのこころを支えてくれた顕嵐ちゃんの言動とたくさん重なるからなんですよね。大切なものを1つ選ばなければいけない状況であっても、それでも諦めず2つとも選ぶ。大事を達成するために犠牲を払ってできる世界を自分は愛せないと言い切る。本当の理想を諦めないところ。常に強くなりたいと願って向上心を絶やさないところ。そんなレインの姿が顕嵐くんとぴったり重なって。あー。ほんとにこの人はヒーローなんだなって感じたんですよね。
 惜しむらくは、この舞台が予定通り1か月間続けば、どんなに歌の上達があったか、歌でも他の俳優さんたちと心が通じ合うことができたんじゃないかと思うことですが、それは次のお楽しみとして首を長くして待ってようと思います。本当に素晴らしいこのミュージカル、ぜひ同じメンバーで再演していただきたいです。1年でも2年でも待ちますからどうか、どうかそれが叶うよう、クリスタルに祈りを捧げようと思うのでした。