ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

RADICAL PARTY-7ORDER- (12/27、1/15、1/17)

 森田美勇人くん主演の「RADICAL PARTYー7ORDERー」。今回は、12月27日の大阪初日(1階席)、1月15日の東京初日(2階席)、そして1月17日の夜公演(2階席)の3回行けました。みゅーさんこと美勇人くんのダンスを存分に味わえる舞台。そして、みゅーさんのダンスへの愛情と踊っている時の楽しい気持ちががこれでもかというくらいに詰め込まれていて、本当に胸を打たれる舞台でした。1幕は舞台7ORDERのスピンオフお芝居。ミュートが7ORDERの仲間に出逢う前に出逢ったウォークライというダンス仲間たちとの短くも熱い経験のお話。そして、2幕は舞台7ORDER後の世界。お互いに活動を続けているウォークライの仲間たちと、あの時、約束したパーティを果たすというダンスライブなステージ。このステージの素敵なレビューや出演者の人たちの詳しいプロフィールがネット記事にもなっているので貼っておきます~。ぜひ読んでみてくださいね!

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 今回、何が嬉しいってやっぱり美勇人くんのダンスが、それもソロで、ステージの0番で思う存分踊るシーンがふんだんに盛り込まれているところ。オープニングナンバーで一人で歌いながら踊るシーンから始まり、アゾ(仲万美ちゃん)、ドギー(丞威くん)、ワック(福澤侑くん)、ブレイク(網代聖人くん)という4人の素晴らしいダンサーと一緒に様々なダンスを披露していくのです。加えて、超上手いアンサンブルさんたちがバックを務めていただくというダンス満載の内容、それなのに、見た後の感想が「上手い、凄い」っていうスキル面の印象より、「全員が本当に楽しそう!」とか、「自分のダンスを自由自在に踊れて気持ちよさそう!」というエモーショナルな面の印象が強くて。更に、美勇人くんがこれだけのメンバーと本当に楽しそうに、彼らに合わせて一緒に踊っているのがますます印象的で。ダンスのことはあまり知らない自分ですが、こんなに色んなダンスがあるんだな、それぞれに情熱を持って楽しく踊るダンサーがいて、その全部を美勇人くんを含めて全員のダンサーがその楽しい思いを共有しているっていう様子を見ているのが、本当にワクワクで、ああダンスっていいなあっていう気持ちだけが残る素敵なステージだったように感じました。

  もう一つ感動したのが、美勇人くんの歌。今回、3曲ほどオリジナル曲を聞くことができましが、その歌は柔らかいけれど、ちゃんと出し切って、想いを伝えることができる歌になっていました。そのパッションは、自分がいた2階席の最後列までちゃんと伝わってきていました。そりゃ、東京ゲネを見学した萩ちゃん大興奮して、鼓舞されたとブログを書いたのもよくわかるくらいの発露ぶりでした。

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 以前はちょっと弱点だったお歌をあんな風に歌えるようになるなんてどんなに勉強されたのかというその努力にも感動しましたが、見る側に刺さるパフォーマンスの力がどのスキルにもあることの凄さ。カーテンコールのご挨拶も言葉は少なくても、ちょっと拙くてもこちらの気持ちが揺れるスピーチになる、その表現力の凄さ、不思議さ。ダンスのように持っているスキルが高いものであっても、ご挨拶のようにちょっとまだ拙くても、こちらの気持ちを揺り動かすような何かがどーんと伝わってくるのです。そして、何をやってもチャーミングにしてしまう魅力がある。こういう舞台人としてのプラスアルファなポテンシャルを持っていらっしゃることが感じられて感動しりきでした。そして、今の美勇人くんの力と魅力を振り絞って歌い踊るフィナーレの壮大な曲。簡素だけれどステージにそびえたつ大階段で歌いあげ、最後に舞台の真ん中で力を振り絞って三方礼をする美勇人くん。本当に素敵でした。立派に立派に座長でした。

 お芝居部分でもミュートのチャーミングさは存分に描かれていて。今回、控えめに言って、天使(笑:でも、かなりマジ)。あんなに天使感のある人物造形ってなかなかない。誰に対してほわっと柔らかく存在できて、理不尽なことに怒っても、その怒りが人を突き刺すことはない。人を暖かく包み込むようなものであったり、やるせなさや共感のバイブレーションが伝わってくる怒り。今回のストーリーでは、舞台7ORDER世界のAZ法の中で底辺に押し込められた子たちが、ウォークライというダンスで世界を変ようとレジスタンスグループを作り、ダンス動画配信をしている。偶然彼らに出逢ったミュートは、彼らの姿に「やりたいことを自由にやる」力の強さを知り、自分の中の情熱の芽のを見つけだす。一方で、ウォークライのメンバーの中にある根源的で不幸な人間関係を解きほぐし、裏切った者、死んで行った者、残された者に、許しを与えるかのような役割を果たすんですよね、ミュートは。後悔と怒りに打ちのめされた人々を「謝って、もう一回やり直せばいいじゃない」と、ミュートは心の涙を流しながら、訴えるんですよね。そのミュートの優しさは、あの優しい存在感は、美勇人くんだから表現できるというか、彼だから説得力のある人物像になったのかなあって感じました。

 今回のラジパでは舞台7ORDERでのストーリーの回収もいくつかされていて。前回の舞台で唐突に見えたミュートの裏切ったリーダー・ケンタロウへの怒りの強さが、ラジパの中での不幸な体験を二度と繰り返さないという思いに繋がっていたことが解き明かされたのは胸がすくような思いになりました。加えて、裏切ったものの本当の志を秘めて上に登って行こうとするシンドウという人物から新たな世界が開くのも見ることができました。そして、7ORDERメンバーの座談会などで徐々に明らかになっている、舞台7ORDERの結末が当初の構想よりメンバーの関係性の「再生」をくっきりとさせたというお話からも、「再生」のテーマが目指すものが一層くっきりとしてきた気がします。舞台7ORDERの変更点についてのお話が現在一番詳しいのは↓

natalie.mu

 これは個人的な思いですが、私は、このシリーズに共通する「グループでいることの意味と再生」というテーマを「リーダーの挫折」という視点から描いているのがとても好きだなあって思います。私たちは一人では生きていけない、でもグループでお互いに依存しあうことが一人一人の存在の意味やグループの根幹を揺るがせてしまうこともある。一人一人がどうあるべきか、どうしたら本当にひとりひとりを活かして、それでもグループとして一体として、何かをなせるのか。その課題にきちんと向き合おうとするのがこの「7ORDERシリーズ」なのと感じてきています。きっと次の「27-7ORDERー」でもそのあたりのところの掘り下げがあるのかなあって思うのですがね・・・・

 そんな風に、完璧じゃない人躓いてしまった人どっか不器用な人なんかよくわからないうちに追いやられてしまった人。そんな人たちが繋がって自分の中の思いに向き合って、自分たちの力で輝いて前に進んでいく物語なんだろうと感じています。だから舞台7ORDERシリーズは、とってもシンプルでとても普遍的な物語。そして、7ORDERメンバーは、色んな人に助けられながらも彼らの力や判断に近いところで「自分自身の物語や歌やパフォーマンス」を作っていくんでしょう。少しずつ大きく少しずつ充実していく舞台の全容がいつ見られることになるのかわからないけれど、そのわからなさを楽しみに待っていられるなと思ったスピンオフ第一弾RADICAL PARTY-7ORDER- でした。それにしても、2部の始まりでドギーに「バンドばっかりやってるんじゃないんだろうな?」って聞かれて、使いすぎてあのラジカセが壊れそうってミュートが答えるんだから7ORDERのみなさんはバンドだけじゃなく・・って期待しちゃいますよね。いや~、これからも、楽しみです!。