ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

モロちゃんとモマの備忘録(1/7夜、1/10夜)

  モロちゃんこと諸星翔希くんが出演する少年社中・「モマの火星探検記」に見てきました~。ありがたいことに7日の初日に入れて、その後10日の夜公演に。10日の夜公演ではアフタートークも見ることができて、とっても充実した2020年の観劇はじめとなりました。本当に素晴らしい舞台で語るべきところがたくさんあって、その上、私が熱烈応援している7ORDERのモロちゃんも素晴らしい活躍ぶりで、まだまだ頭の中が整理できていないので、まずはざくっと感想とかその近辺のことをメモしておきます。

 私の力では全然語るのが難しいなと思うのは、お話の要素が多いから。メインのテーマはひとつかふたつなのに、そこに行きつくための中くらいのエピソードはもちろんのこと、小さなセリフの切れ端とか、役者さんのちょっとしたお芝居にも、それぞれの大切なテーマが込められていて、それを少なからぬ数の役者さんが誰もがきちんと演じきっている。見るべきところ、語りたいところが無数にある舞台。でも、テーマはぶれない。緻密に構築された舞台。まるで交響曲のよう。それなのに泣き所というか琴線を震わすセリフや演技が満載で、こんなに男性のお客さんのすすり泣く声が聞こえる舞台は初めてでした。自分は、ただそこそこ長く生きてきただけの、お芝居にはあまり縁のなかった人間で、そういう者が言うのもアレなんですが、絶対見るべき舞台だ、演劇だと、素直に感じました(個人的にはとても演劇だなあって感じました。何が演劇か・・ですけどw)。いや、本当に一人でも多くの方に見て欲しい舞台です、ステージです。そこに我らがモロちゃんがいらっしゃる、本当に2020年も最初から凄く幸せですね。

 さて、ここからは箇条書きで・・。

  • 初日を見てまず思ったのは、生駒ちゃんのお芝居がほんとよかったこと。力強くて、感情がほとばしっていて、本当にうまかったです。荒れ狂うような憧れの発露はまるでかつての小劇場の主演女優のようでカリスマを感じました。誰もがその思いに従わざるを得ないような力強さ。一方の主役の矢崎さんのお芝居が普通の人間を演じる凄さみたいなのがめちゃあって。喜怒哀楽が豊かで、とにかくふっとした動きから、人間らしい肌の暖かさが伝わってくる演技。自然なのにまるでカメラがそこにあるかのようにぐわっとその動きや表情が目に焼き付いてくる。確かにこんな役者さんみたことがない。そして、井俣さんの包容力とエネルギー。役柄的にも立場的にもこの舞台も、そしてこれまでの舞台も全部見通して、今伝えるべきことを情熱をもって伝えてくれる。この3本の柱がしっかりと最後までぶれない舞台でした。
  • そして、この3人をしっかりした軸となっていて他の登場人物がきめ細やかにこの舞台の世界を作り上げていると感じました。物語を繊細に厚くしっかりと構築していくために、全員が役割を大袈裟にではなくしなやかに編み上げている感覚。役者全員が、お話のすみずみが、ひとつの物語を紡ぎあげる舞台でした。ALL for ONEの精神がひしひしと感じました。
  • チキン役の諸星くんもたくさん見せ場があるという訳ではないけれど、あの子どもグループの中にいるチキンを指の先、足の先、お尻の先、そして声や息のひとつひとつにまで細心のこころを込めて、しっかりと演じているように感じました。これは、身体能力が高くて、繊細かつクリアなお芝居ができるモロちゃんだからこそできる、演じるのにふさわしい役柄であり舞台であるなあと。7ORDER メンバーの中で唯一ジャニーズ時代に、屈指の完成度、構成力の高さを誇るEndless SHOCKに出演した経験がここに繋がってるなと個人的には感じました。
  • まず心に射抜かれた場面。子どもチームが最初に登場する場面は上手から下手へどどーっと5人が走ってくるのですが、そこを先陣切って登場するのがモロちゃん。この時の躍動感、速いのに動きが止まって目に焼きつくような鮮やかさがあって、本当に凄いなあって感じました。短いけれどメインの見せ場も印象深くて、この舞台にモロちゃんがいるこ意味と幸せと、諸ちゃんだからこの舞台に出ることができた・・みたいなものを萩谷くんファンの自分も噛みしめました。
  • この少年社中の舞台感は自分の中の比較対象があって余計に強く感じられたんかもしれません。11月にディズグーニーのPSY・Sを見たのですが、モマにはその時の役者さんが3人(鈴木省吾さん、松村龍之介さん、赤澤燈さん)出ていらっしゃったので余計に感じたのですが、作家(演出家)が違うとこんなにお芝居に対する世界感や作り方が違うのか、こんな風に同じ役者さんに違うお芝居をさせられるのかって本当にびっくりしました。そして、全然アプローチが違うのに、どちらも本当に面白い。自分の頭の中の震えているところが二つの舞台で全然違うのを凄く感じて、ますますお芝居に嵌りそうです。
  • 2020年は7ORDERメンバーの個人舞台が目白押しで、これから舞台行き過ぎかなと思っていたけれど、「全然そんなことはない」と確信しました。まだ足りないくらい。世の中には、色んな種類の、色んな人による、色んな段階俳優さんが演じる舞台が星の数ほどある。そんな様々なお芝居を、メンバーを追っていくことで立て続けに見られる得難い経験をしてるなあって思うのですね。そんな経験ができる7ORDER project、やっぱり凄いんじゃないかなと思っております。
  • さて、10日の夜公演は生駒ちゃん、井俣さん、矢崎さんと音楽を担当されてる依田さんのアフタートークつき。依田さんのパワフルトークで3人が圧倒される中、上手くお話を捌く生駒ちゃんがとっさの対応力とか、お話の広げ方とか、経験値の高さや機転とか、流石のアイドルでカッコよかったです。その中で、生駒ちゃんは、アイドル時代のお話も少し聞かせてくださって。その時苦手だったことをこの舞台でもやってるけれど、そのことに真正面から向き合って乗り越えててきたことを話してくださったのがとても自分の胸に響きました。
  • 若い人が生きていく中で夢を見つけてそれに向かって成長していく道を見つけ出し実現すること。それは、この「モマの火星探検記」のテーマでもありますが、それが生駒ちゃんの芸能人としての成長-お芝居でも歌でもステージをひっぱる存在として輝く姿を見せてることーと、その成長を自分で感じて手ごたえをつかんでいるその力強さに本当に感動したのでした。アイドルとして存在するという経験を持つ多くの若いタレントさんの道しるべの一つになっているんだなあと、また知らない世界の素敵な人に出会えて、よかったなあって思いましたね。
  • 10日の夜のモマは、すでに千穐楽のごとき見事に構築された出来であった初日から、また一歩踏み出して、役者さん一人一人の演じるエネルギーが自由にほとばしってきたように感じました。モロちゃん推しとしては、ユーリたちがチキンを呼びに来る場面が本当によくって。友達への気持ちや母に対する気持ち、不安と憧れ、色々と翻弄されるチキンの表情の揺れや変化にジーンとくるんですが、その後ろで井俣さんのおじさんが「シーチキン」とか「チキン南蛮」とか、ギャグ連発(駄洒落?)で、感動しているのにめちゃめちゃ笑わされて、こっちの気持ちが大混乱しちゃうんですよ。涙と笑いで腹筋が崩壊しそうなくらい。モロちゃんも、おじさんのギャグと呼応するように表情ますますシリアスにしてくるから、本当に感情が迷子に。他のところでも、演技のタイミングとか突っ込まれた時のリアクション、本当に面白かったですね。芸達者な人に囲まれてどんどんその能力が更に開花していきそうと感じました。
  •  この場面だけじゃなくって、 「モマの火星探検記」の中には感動したり泣きそうになる場面がたくさんあるんですが、そんな中にもふざけたり笑いを入れたりしていて、こちらの気持ちを一筋縄にはしてくれないところが凄く上手いなあって思いましたね。その泣き笑いの併存が、ああ人生だなあみたいな感覚になるのかなあと思いました。

  • きっとこの舞台は、見る人それぞれに刺さる部分が違うだろうと思えるのは、おそらく細かく色々な要素が埋め込まれてるからで。自分は、火星に残されたモマとスコープスの落ちが本当に一本取られたと目からウロコな気持ちになっています。どこまでも残酷な状況であっても生き物は前を向く。できることの最善を尽くし、笑顔を忘れない。そのために人間と言う存在は機械を人形を私たちの友として作る。生き物に必ず付きまとう残酷な状況と、それでも立ち上がって進んでいく者のエールであり、心の支えとして彼らは存在したのだなと、なんだかまだまだまとまりませんが、そこが一番好きだったりします。

  • そして、「生き物は憧れる」という言葉もきっと忘れないでしょう。これは、自分が普段から感じてはいたことだけれど、それをこういう鮮やかな言葉にしてもらい、それを熱い生の台詞で聞くのは本当に素敵なことだなあって。そして、ここでもやっぱり、最新鋭のロボットであるカレイドスコープに憧れがあることをしって、作者の「存在」というものに対する愛情の深さに心が震えるのでした。

  • ほんとモロちゃんのこと知ってる人にはぜひ1度見ていただきたいです。このテーマは7ORDER projectにも通じるものであると思うし、楽しくて興奮してたくさん色んな感情を経験して、色んなことの向こうに勇気をひとつもらえる舞台だなと思うから、ぜひ見に行っていただきたい、そう心から思います。
  • さて、役者さんのことを少し・・・。10日は少し余裕もでてきたので、双眼鏡で役者さんのお顔をしっかりと見てきたんですが、勝吾さんのテレスコープさんの灰色のカラコンを入れてグレーを効かせたアイメイクが本当に綺麗だったんですよね。カラコンってどうしても不自然に見えてこれまであまり好きではなかったけれど、ロボットだからこそ似合うというか、目の前だけじゃない現象の奥底まで見通している様な透明感が際立つ目の表情になっていて、本当に素敵でした。もちろん演技のことも色々とあるんですが、それままた書きます・・。
  • サイズであのルパンを見てると、あんな風に集団の一員で背景の中にちゃんと埋まっていて飛び出してなくって、それでも人柄の暖かさや熱い気持ちが伝わってくる燈さんのお芝居にほんとにびっくりする。凄い俯瞰的なステージ眼がある方ではないかと感じました。
  • 龍之介さんのミヨーの理不尽なものをするっと受け止める人柄の大きさも素敵だし、役者さん全員凄すぎて本当に困ります・・・こんな舞台が世の中には少なからずある・・いったいどうしたらいいんでしょうね・・。
  • さて、最後に、この10日の夜公演は、大好きな萩ちゃん事萩谷慧悟くんが見学に来ていらっしゃたようです~。そのブログとかPSY・Sの共演者の方々のツイートもあるのでちょっと貼っておきますね・・。

ameblo.jp

 

 

  1年経って、萩ちゃんが踏み出したお芝居の世界でつながった人たちと一緒に7ORDERの仲間のモロちゃんの舞台見学お写真に写っていて、これからのお仕事への励ましの言葉もいただけてるのって、なんてなんて素敵なことなんだろう・・って心から思いました。みんな長い舞台、どうか怪我なく病気なく、思いっきりやりきれますように。心から祈っております。
 モマはもう1日見ることができます。本当に嬉しい~。次は自分なりにこの大きくて細やかな物語をちゃんと語りたいですねえ・・・。