ラボを捨て、ビーチに出よう

Love-tuneから7ORDERへ:どこにいたって君がアイドルだ

はじめてのえび座!(10/18夜)

 初めてのえび座行ってきました。チケット取ってくれたお友達、ほんとにありがとう。お話、ほんと面白かったな。コンピューター将棋に負けたプロ棋士を応援する応援屋とその人々を巡る人間模様。

 プロ棋士の五関さん演じる桂馬さんと奨励会で年齢制限にひっかかってプロになれなかった塚ちゃん演じるくりりん、そしてコンピュータ将棋の現在を巡るお話もきちんとしてて安心して楽しめた。コンピューター将棋にプロ棋士が負けちゃうなんてたった10年前には考えられなかった。だからこそ、桂馬さんの悔しさ恥ずかしさみたいなのはとってもリアリティがあるし、ほんとに今だからこそという感じがある。

 桂馬さんとくりりんの出会いが、小学生名人戦で、そこで運よくくりりんが勝っちゃったけど、その後、勝った方は・・なんて件り、将棋の世界のあるある感に溢れている。またそれが小さなころから才能の世界で生きる人には普遍的なことで、それがジャニーズの子たちにも当てはまるからよけいに思い入れもって見ることができたと思う。

 でも、その話、敗れた者がリベンジしていくというお話が、メインなようでホントはメインじゃないのが面白い。桂馬さんとくりりん、社長夫妻と死んだ娘さん、そしてイシケンくんとデジタルボーイズという3つのサイドストーリーとも、偶然に出会って、そこで大切な関係を育んで、偶然によってそれが壊れて、残された者は傷ついて・・という同じ図式を抱える者たちの再生のお話でもある。

 桂馬さんとくりりんも、社長夫妻も、おそらくイシケンくんとワンゼロも偶然出会っだのだろうし、その別れも将棋協会の年齢ルール、娘さんの交通事故、そしてアイドルのライブ会場での社長とイシケンくんの出会い・・という本人たちにはどうしようもない力によって起こっている。出会ったのも何かの御縁だし、何かの縁で別れさせられてしまう人々。応援屋というテーマだけれど、実は、縁に応じること、応じてしまったことで、運命が変わってしまった人たちの物語「応縁屋」なのかもしれないな・・

 そんな自分の力だけでは何ともならない状況にいる人たちなのに、ましてや外野が何かできる訳でもない私たちはどうやって関わることができるのか、その時にできるのは応援しかないじゃない・・その気持ちが大切なんだよ・・ということを面白可笑しく見せてくれたお芝居&レビューだったなぁと感じましたね・・。

 それにしても、娘を亡くして辛くてどうしてもそのことに向き合えなかった社長夫妻の長い時間の間に、娘の友達や縁のあった人々が命日を供養していたという件りが凄く好きかもなぁ・・・何かあって自分が離れてしまっても、そのことを愛してくれている人がちゃんといるよ・・だから安心して戻ってきていいんだよっていうラストには、もう涙が出て出てしょうがなかったです。演出&脚本のアラフィフアラフォーコンビらしい暖かい目線だなぁと感じました。

 うん、ほんと、お話が面白かった~。えび5人の個性にいい感じで重なる人物造型はまるで昔のナックスの本公演(ルーザーあたり)を思い出したし、佐藤さんほのかさんもノリノリだったし、そしてThey武道兄さん、MADE兄さん、トラジャがしっかり支える華やかなレビュー(お芝居ももちろんよかったよ!)。ほんと行ってよかったし、毎年えび座に行きたいな~って心から思いました。ぜひ、来年はらぶを出してやってください!

 

さて、後はとってもいい加減な感想・・

  • 桂馬さんを演じる五関さんがカッコ良すぎて。黒の革のジャケット革のパンツ。おろしてちょっと縮らせた前髪。カッコつけの頑固なところがプロ棋士らしくってよかった~。そして裸足で踊る訳です、狂おしく。はぁぁ、裸足。双眼鏡で足の指じっとみてました。すみません。
  • くりりんの塚ちゃん。まだまだ少年らしい五関さん愛しっぷりが胸に迫るいいお芝居だったなぁと。そして、とっつーが腕立て伏せを教える場面がめちゃ可笑しくって。塚ちゃんがまず服を脱ぎます・・筋肉とお話しながらやるためですって・・なんだそれ。そして、同じ様に服を脱ぐとっつー。そして、正座して、手をついて・・ふたりの様子がおかしくておかしくて、まるで、ドラバラのマッスルブラザーズみたいだった。
  • とっつーは黒髪短髪をぴゅんぴゅん跳ねさせていて、その毛束感が凄く可愛くって、とっつーってこんなに素敵なのかと目からウロコだった。なんか穏やかに咲いている花のようで、でもどっか怪しい魅力があって。不思議なお方だなぁと初めて感動した次第。昔のヤスケンのようだった。でも、その雰囲気が演技から出てるって、違う人になってるんだってのも何かわかって。上手いんだなぁってようやくわかった。とっつーぜひテレビでドラマ出演して!
  • 河合くんはコイベビぶりだったんだけれど、その時もよかったけど、この日はずっとずっと良かった気がする。毒舌だけれど気のいい普通の人ってのがよかったのかなぁ。セリフの間がとてもよくって生き生きしてたなぁ。予備校教師らしくファイルを持って語りあげる姿にルーザーの洋ちゃんみがあったんだよなぁ、たぶん。
  • はっしーのイシケンくんは演じるのが難しいんだろうなぁ。幸薄く悪賢く育って、今でも基本理性的だけな人なのに、いつのまにか応援屋になってしまっているという。もうちょっと説明があったり、わかりやすい方がよかったのかなぁ。でも、はっしーが情感こめて歌うとなんか説得されちゃうんだ。コイベビの時もそうだったけれど、お腹の底からあっためられてしまうような泣きたくなる声。
  • そんなイシケンくんを大好きすぎて拗らせまくってしまって、怒りと憎しみで目がギラギラして瞼のふちが充血しそうなくらいだったのがワンゼロのみゅーさん。自分たちの未来だったはずなのに、おいて行かれてしまった悲しみをひたすら心にため込みため込むワンゼロさん。プログラムの一番基本の基本の1と0。教えられたことを忠実に守っていく、だからこそ、彼の言葉にはでないけれど、濃い愛情と怒りが全身から漂っていていたなぁ。
  • 目をぎらつかせるところが凄く上手いと思う。でも、「イシケンくん」の言い方がすごく可愛いというか愛着あるんだなぁという。モリタの時のストレートな愛情じゃないけれど、心の中に何かある感のわかりやすさ。目の端の長さを生かした、そこに想いをためることができてて上手いな~って。いっぱいお芝居させてもらえてホントによかったな~。
  • この日は、ショータイムの最初3曲くらいまでにこやかなお顔がでなかったくらい、その気持ちが全身を満たしていたんだなと感じたな。それがショータイムで踊っているうちに少しずつお顔の表情が解けてきて、あぁ役を引きずるってこういうことなのかな・・・ちょっとだけそう感じた。たぶん、こういうのは、もっとお芝居上手になっちゃうと見られないとこだと思うので、結構嬉しかったりするww。

 とりあえず、まずはこのへんで。もう一度えび座に行けるのでその時には他のみんなもしっかりみてきたいし、あのカッコいいダンスのこともしっかり見て書きたいです。では、また。